2014年10月13日月曜日

レアアースリサイクル法の成果発表

9月~10月にかけての北米出張で、
レアアース(希土類元素)のリサイクル法に関する
基礎研究の成果を、2件発表いたしました。



'Electrochemical Formation of RE-Ni (RE= Nd, Dy, Pr) Alloys in Molten Salts',
Kouji Yasuda, Katsuya Kondo, Seitaro Kobayashi, Toshiyuki Nohira and Rika Hagiwara: 
COM 2014 - 53rd Annual Conference of Metallurgists, Vancouver, Canada, 28 Seprember-1 October, 2014.

'Selective Formation of Rare Earth-Nickel Alloys Via Electrochemical Reactions
 in NaCl-KCl Molten Salt',
Kouji Yasuda, Katsuya Kondo, Seitaro Kobayashi, Toshiyuki Nohira and Rika Hagiwara: 
226th Meeting of The Electrochemical Society, Cancun, Mexico, 5-10 October, 2014.


アメリカ電気化学会の溶融塩・イオン液体のセッション














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日本は高機能材料を使った製品を行っており、
ネオジム磁石と呼ばれる世界最強磁石をはじめとする
希土類磁石も、日本の誇る高機能材料です。

2010年以後、希土類原料の輸出が中国から規制され、
それ以後、日本国内では使用済磁石からの
希土類元素のリサイクル法に関する研究が盛んにおこなわれています。
また、希土類を地殻から採掘すると、
環境破壊につながるため、環境保護の観点からも
リサイクルの必要性が訴えられています。


我々の研究室でも、
得意とする溶融塩技術や電気化学反応を利用し、
ネオジム磁石からのリサイクルプロセスを提案して研究を行っております。


我々が提唱するプロセスの概念図













我々の手法では、
磁石中に含まれている希土類元素を電気化学的に抽出し、
元素ごとにおける隔膜の透過性の違いを利用して、
それぞれの元素を分離して回収いたします。

今回の発表では、
どの程度の分離能があるのかという発表を行いました。



学会で出版された要旨集、

ECS Transactions, Molten Salts and Ionic Liquids 19,
edited by W. M. Reichert, A. Ispas, A. Bund, H. C. De Long, L. M. Haverhais,
M. Mizuhata, P. C. Trulove, and R. A. Mantz, vol.64, no.4, pp. 601-607 (2014).

に一部の結果を掲載しております。


近日中にも、
詳細なデータを掲載して、論文として発表する予定です。

2014年8月27日水曜日

化学便覧

研究室にぜひ1冊。

そう言われることも多い『化学便覧』ですが、
このたび新しい版が出版されました。


書籍版とCD版があります



 














私もわずかながら、金属材料に関する説明を、
0.5ページくらい分担執筆をさせていただいております。


化学便覧 応用化学編 第7版
丸善出版株式会社, 東京, 2014年1月.

第13章 金属材料
13.2 金属の製錬と高純度化 13.2.1 金属の製錬法
(月橋文孝、岡部徹、安田幸司).



時代とともに、科学技術も進歩し、
事典として求められる内容も変遷してますので、
それらに合わせた内容になっております。

ぜひ1冊お買い求めください。

2014年7月26日土曜日

溶融塩化学講習会(実験講習会)

9月11日(木)に、
電気化学会溶融塩委員会が主催する、
溶融塩化学講習会(実験講習会)が開催されます。
リンクはこちら


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溶融塩というのは、
たとえば食塩(塩化ナトリウム)のようなイオン性化合物を
融点以上まで昇温させて液体になったものです。


食塩水という液体の場合、
 Na+イオン
 Cl-イオン
 H2O分子    ← これが大部分
 H+イオン(H3O+イオン)
 OH-イオン
が液体を構成します。

その一方、塩化ナトリウム溶融塩という液体の場合、
 Na+イオン ← これと
 Cl-イオン ← これの2つだけで全部
のみが存在する液体となります。
電離したイオンだけから構成される液体のため、
凝縮プラズマと呼ばれることもあります。


常温で液体のものから1000℃弱で融解するものなど、
色々な種類の溶融塩があり、
工業的には、
・アルミニウムや希土類元素、
 リチウムやマグネシウムといった活性金属を製造する電解質
・ガラスの表面強化処理
・廃棄物処理
・溶接のフラックス
・燃料電池や二次電池の電解質
として利用されています。

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今回の講習では、当委員会で初となる、
室温溶融塩と高温溶融塩の使い方を1日で学べる
実験講習会を開催することとなりました。

当研究室で、
室温溶融塩(イオン液体)の研究をしている松本助教、
高温溶融塩の研究をしている私、がリレー講義を行います。



2014年9月11日(木) 9:30-16:30(終了時刻は予定)
〒606-8501 京都府京都市左京区吉田本町
京都大学本部キャンパス 工学部物理系校舎506号室

9:30〜9:40 開会の挨拶
9:40〜16:30 2班に分かれて講義と実験(実験が終わり次第解散予定)
         A班:午前-室温イオン液体、午後-高温溶融塩
         B班:午前-高温溶融塩、午後-室温イオン液体


内容
(1) 室温イオン液体の電気化学測定
  講師:松本一彦(京都大学)
   講義:イオン液体取扱い上のポイント
   実習1:イオン液体の乾燥、カールフィッシャー滴定による含水量測定
   実習2:測定セルおよび電極の準備
   実習3:フェロセンの酸化還元挙動のサイクリックボルタンメトリー
   実習4:電位窓測定(アルカリ金属の析出溶解)
   イオン液体は、TFSA系およびFSA系イオン液体を使用予定。

(2) 高温溶融塩の電気化学測定
  講師:安田幸司(京都大学)
   講義:溶融塩取扱い上のポイント
   実習1:LiCl-KCl共晶塩の準備、電極作製
   実習2:Al-Li合金参照極およびAg+/Ag参照極の使い方
   実習3:予備電解と電位窓測定(リチウム金属析出および塩素ガス発生)
   実習4:MgCl2塩の添加とMg析出の電気化学測定(CV, CA等)
   溶融塩は、LiCl-KClを使用予定。 


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最近大変なのは、
去年の引っ越しで高温溶融塩の装置を
すべて宇治キャンパスに持って行ってしまったので、
本部キャンパスで実験装置とガスラインを組み直しています。
あと、当日示すためのデータや写真をとるために、
予備実験も数回行っています。

学問分野を多くの人に発展させるために、
研究者にとっては、論文にならない研究や実験も大切です。

2014年7月24日木曜日

研究室旅行

毎年7月の3連休には、
研究室旅行へ行っております。
今年も先週末に行ってまいりました。

教員にとっては前期授業がほとんど終わり一息、
院生にとっては研究に一息、
4回生にとっては大学院入試に一区切り、といったところでしょうか。

私も最近、ここのブログがご無沙汰なくらい、
ある実験(次記事参照)に追われておりますので、良い休みとなりました。



研究室旅行というのは、研究室によって色があり(そもそも行わない研究室もあります)、
当研究室の場合は、
 ・家族も来られることが多い
 ・けっこう観光する
 ・大型バスをチャーターして全員で移動
といった雰囲気です。

京都は地理的に恵まれているので、
四方のどちらに行っても、それなりの観光地があります。
今年は、岐阜&金沢を満喫してまいりました。


30人強でバス移動

ニジマスのつかみ取り

夏の白川郷、良い景色でした

夏と言えば花火


















































また、毎年恒例(になってしまった?)、
私が企画と司会をするクイズ大会も開催させていただきました。

今年のテーマは、テレビ番組をマネし、
「科学者格付けチェック」

番組とは違って、
科学に関係するようなしないような問題に正解すると
ランクアップするシステムです。


4チームに分かれて全7問
わかったら安田に答えを耳打ち
最下位チームは「理科クラブ」でした。がんばりましょう。




































この旅行と企画をいい思い出とし、
院生にはこのメンバーとの研究生活に前向きに取り組んでもらって、
4年生には大学院入試でウチの研究室に残りたいというモチベーション
なって勉強に励んでもらいたいものと思います。


2014年6月22日日曜日

研究室引っ越し

去年、建物の耐震工事のため、
宇治キャンパスの実験室吉田キャンパスの研究室
ともに避難先に移転せねばなりませんでした。

そのたびに引っ越しを繰り返す流浪の民だったのですが、
ようやくこのたび、最終回を迎えました!


【研究室引越の歴史】

2013年 7月 宇治実験室 避難先へ引っ越し
2013年 9月 吉田研究室 避難先へ引っ越し
2013年12月 宇治実験室 避難先からの帰りの引っ越し
2014年 6月 吉田研究室  避難先からの帰りの引っ越し


梱包(慣れたもの)

運搬(いつもの業者)

開梱(慣れたもの)




































新しい住所

そして新しい地図、というか出戻りです




























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6月13日(金)~14日(土)に引っ越したばかりで、
まだ最低限しか整えてないのですが、
デスク、本棚、プリンターは揃ったところです。


一番奥が安田席、手前6個が学生席。企業のような並びです。















また、せっかくなので、
本ばかり並んでいても堅苦しいということで、
本棚の段1つは、博物館にしてしまいました!


やさしい科学技術セミナーで使ったものです














効果や用途はいろいろありまして、

 ・1回生のコース分属説明会の展示品にする

 ・准教授の3回生向けの授業で展示品にする

 ・研究室の学生の研究において、最終目標へのイメージにしてもらう

 ・研究室への客人へ紹介する

 ・安田が仕事に飽きたら、見つめながらうっとりする

と、様々な役に立ちます。
お越しの際は、ぜひお楽しみください!

2014年6月11日水曜日

月曜日はゼミの日

小山先生の記事に対抗して、
ウチも書いてみました。


当研究室では、
授業期間中の毎週月曜日がゼミの日になっています。

ただし、ゼミと言っても、

・ 9:00-12:00 検討会
          先週の進捗と今週の予定を、各自スライド5枚くらいで報告。
          実験ノートもチェックし、
          学生とポスドク全員で、2週に1回報告します。

・16:30-18:00 雑誌会/勉強会
          去年までは、他研究者の論文紹介を通年で行ってましたが、
          今年の前期は、各種分析機器の原理などを
          学生で担当を割り振って、 勉強しています。

・18:00-19:30 研究会
          各自の研究の進捗と今後の展望を、
          半年に1回まとめて発表。教員からも発表あり。

という、けっこうハードなスケジュールです。


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かなり多忙な1日なのですが、

・教員が学生の生データをチェックすることができる

・検討会のために毎週何かしらのデータを出さないといけないので、
 コンスタントに研究を進められる

・こまめにデータをまとめないといけないので、
 学会前なども、かなりデータ整理ができた状態にになっている

・普段宇治キャンパスにいる私なども、
 吉田キャンパスに行かなければならない日が、週1で済む

というメリットがあるので、ずっとこのスタイルで続けています。


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で、私からの発案で
今年から始めた機器分析勉強会なのですが、
学生のみならず、教員にとっても良い勉強となります。

たとえば、DSC(示差走査熱量測定)は、
参考書にのっている原理で測定しているのかと思いきや、
最近の機種はそれよりも新しい原理で測定しているとのこと。

いやぁ、ビックリです。

2014年5月28日水曜日

電気化学反応

最近、電気化学の教科書を、
読み込むことが多くなりました。

というのも、
指導する学生が、電気化学反応の色々な解析をすることとなり、
私自身もその理論と解析法を学ぶためです。

教科書と論文を手元で見ながら実験















今まで紙面ベースでは知っていた理論も、
自分で実際に教科書片手に実験してみると
あぁ、そうなのかという理解がグッと深まりますね。

学生の時よりも、今の方が断然色々なことを
勉強している気がします。

2014年5月20日火曜日

キャンパス前のパン屋

今日は研究以外のお話し。


京大宇治キャンパスのすぐ近くに、
たま木亭」というパン屋があるのですが、
今の時刻において、食べログ パン ランキング全国7位、
評点 4.11 という、とても人気なお店です。

京大関係者も購入し、我々の研究生活を癒してくれています。



とは言え、私が普段出勤する朝9時で、
店内に3人くらいのお客さんがいて、
お昼どきに10人が並ぶくらいだったんですよ。


先週までは。



それが、5月11日(日)に
テレビ大阪(テレビ東京系)の番組「ソロモン流」で
たま木亭が取り上げられて以来、
先週は、平日昼間に30人、土日の昼間は80人という大行列でした!


警備員まで配置(先週平日の写真)











関西人は行列が好きでないので、
これほどの行列ができるのは稀なのですが、
ものすごい繁盛っぷりです。

京大宇治キャンパスにお越しの際は、
ぜひ一度、購入してみてください!



P.S.

ただ、京大関係者は、
今まで普通に買えていたのに、
並ばないと買えないとなると、足が離れてしまうだろうなぁ、と。。。

我々にとっては、ちょっと寂しいキャンパスライフになります。

2014年5月16日金曜日

新歓バーベキュー

先週の日曜日は天気も恵まれ、
比叡山のふもと、八瀬にて新歓バーベキューを行いました。

ウチの研究室では、
毎年、4月末に新歓コンパを大学近辺のお店で行い、
5月中旬にここ八瀬で新歓バーベキューを行ってます。



毎年恒例の八瀬でのバーベキュー












ご家族や研究科事務の方を含め、40名強の参加でした















実は、上で書いた2つ以外にも、4月第1週の金曜日に研究室の居室にて、
花見を兼ねた軽い立食パーティも新歓イベントとして開いています。

新歓コンパまで3週間もあるので、
皆の名前を覚えるための、自己紹介の場ですね。
今年からは、こちらの発案で、全員の胸に名札をつけることにしました。

左胸には「やすだ」と書かれた名札(ビニールテープ)














というように、
皆での交流を深めるためのイベントは、
各種行われている研究室なのです。


しかし、

 4月: 花見、新歓コンパ
 5月: 新歓バーベキュー
 6月: 
 7月: 研究室旅行
 8月: 院試 当日打ち上げ
 9月: 院試お疲れコンパ
10月: 
11月: 
12月: 忘年会
 1月: 
 2月: 修論&卒論 提出と発表 当日打ち上げ
 3月: 追い出しコンパ


見てわかるとおり、
6月、10月、11月、1月に飲み会がありません。

今年は、これら4か月に、
何らかの飲み会を設定するぞ!!

という、ささやかな目標です。

2014年5月8日木曜日

設備導入

春になると、新年度の予算が使えます。

だいたい前年度の最後の方から、
次の春には、これを買って、あんな実験したいなぁ、という
予定(と希望と想像)を膨らませながらいるので、
新年度になると、初めにそれらを買ってしまうのです。


ウチの研究室でも、新たな設備導入がありました。



7m3のボンベからアルゴンガスが供給されてます



その1つ目が、アルゴン集中配管

ウチの研究室では、
アルゴンガスを比較的多量に使うのですが、
各々の装置のところへボンベを置くと、
本数が多くてかなわないので、
それらを一括管理することにいたしました。









各部屋へはこんな感じで配管














実験室の入口に先ほどのボンベスタンドがありまして、
そこから各部屋へ、ステンレスの配管が施されました。
あとは、そこから先を分岐して使います。

各部屋の装置を置ける場所も増えて、かなりスッキリ!




反応管はあるけど、電気炉がまだ














去年の助成で進めていたテーマも、
吉田キャンパスにある実験室にしか装置がなかったので、
宇治キャンパス側にも購入しました。

電気炉を置く場所は空けて、
昨年作った反応管を吉田キャンパスから持ってきて、
ガスラインも整備して、準備万端。
炉の納入予定日は5月末です。

早く続きの実験したいですねぇ。

2014年4月29日火曜日

日本国際賞の授賞式と祝宴

先週の水曜日、
第30回日本国際賞の授賞式と祝宴に参加させていただきました。

受賞されました末松博士とアリス博士には、
心からお慶びを申し上げます。


授賞式は国立劇場で開催されました


















去年体調不良でご欠席なされた皇后陛下も
今年は参加なされ、両陛下のご臨席の式となりました。

2年連続での参加ということで、
去年よりは、心に余裕を持って式を楽しむことができました。



たとえば、授賞式後のクラシックコンサートでは、
「あっ。今年のアメリカからの受賞者も、
 ビートルズの曲を指名されたんだな。」
とか、
「あと20年もしたら、東京藝術大学の学生は、
 マイケルジャクソンの曲を演奏しないといけないのかな。」
など、そんなことを考えたり。

でも、コンサートを聴きながら、
「そういえば、あの研究テーマで、
 こんなことしたらどういう反応になるんだろうな。」
と考えてしまうところは、
まだまだ芸術心の無さが表れてしまいました。


研究者というのは、一種の芸術家のようなものですし、
芸術にも興味をもたないといけないな、と感じた日でした。

(一方、毎日クラシックを聴けば、
 研究が進むんではないかという心も生まれました(笑))


祝宴ではハープ四重奏の近くで音楽に聴き入りました




2014年4月9日水曜日

春学会での受賞など

3月には5つの学会へ参加してきました。
その際の出来事をまとめてみます。


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3月16日~19日に、
京都の同志社大学で行われました
7th KIFEE International Symposium on Environment, Energy and Materials
で、修士1年の前田君 
Young Author’s Awardを受賞いたしました。

ノルウェー人相手に、英語での奮闘が認められたのだと思います。

喜びの様子は研究室HPにて。





3月26日~28日に、
東京大学生産技術研究所で行われました
資源・素材学会平成26年度春季大会に参加した際、
生産研の所属で、私と本助成を同じ年に受けました
苷蔗先生とランチを共にいたしました。

お会いするのは、
昨年の助成贈呈式と日本国際賞以来なので
1年ぶりの再会で、 やさしい科学技術セミナーがどうだったか
というお互いの話や、研究の進展などについて
気軽な雰囲気で会話をさせていただきました。

互いの研究分野が違うので、
なかなかお会いすることができない関係なのですが、
このような関係を構築できたのも本助成のおかげと感謝いたします。





3月29日~30日、
関西大学で行われました電気化学会第81回大会で、
平成26年度 電気化学会論文賞の表彰を受けました。
論文へのリンクはこちら

論文題目: Electrolytic Reduction of SiO2 Granules in Molten CaCl2
        (溶融塩化カルシウム中における二酸化ケイ素粉末の電解還元)
著者: Tetsuya Toba, Kouji Yasuda, Toshiyuki Nohira, Xiao Yang,
     Rika Hagiwara, Koki Ichitsubo, Kenta Masuda and Takayuki Homma
     (鳥羽哲也、安田幸司、野平俊之、萩原理加、一坪幸輝、増田賢太、本間敬之)
掲載書誌:  Electrochemistry, vol. 81, no. 7, 559-565 (2013).


第一著者の鳥羽君は、1年前に修士課程を卒業した学生で、
在学中に彼を中心に共著で執筆した英語論文
このたびの電気化学会の論文賞に選ばれました。

表彰式の日は、就職先から学会会場までかけつけてくれました。

第一著者の鳥羽君が会長から贈呈










2人で記念写真


















2014年3月21日金曜日

出版物のお知らせ

前の記事に書いたように、
技術論文はまだ公になっていないのですが、
下記2件が出版されましたので、情報を記します。


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① 解説論文

Kouji Yasuda, Kazuki Morita and Toru H. Okabe,
“Processes for Production of Solar-Grade Silicon
  Using Hydrogen Reduction and/or Thermal Decomposition”
Energy Technology, 2(2), 141-154 (2014).


⇒ 現在までに行われてきた種々の高純度シリコン製造プロセスを分類し、
   それらの原理や特徴を比較・検討することで、
   プロセスの解析を行ったレビュー論文です。

   論文へのリンクはこちら

   他にもシリコン製造法の解説論文を書いておりますので、
   ご興味の方は、私のデータベースを参照ください。



② 著書

“化学便覧 応用化学編 第7版”
月橋文孝、岡部徹、安田幸司(分担執筆)、
丸善出版株式会社, 東京, 2014年1月.
第13章 金属材料 13.2 金属の製錬と高純度化
13.2.1 金属の製錬法(月橋文孝、岡部徹、安田幸司).


⇒ 発展の大きい分野も、既往の化学技術・産業もこの一冊で概要がわかる。
   化学の専門家が、やや専門の異なる領域を調べるさいに役立つ、
   化学系の研究のバイブルです。

   丸善出版のホームページはこちら

   分担執筆ですので、
   私が分担させていただいたのはシリコンのところだけです。
   記載内容の分野に関して何かわからない点などありましたら、
   私の方までぜひご質問ください。

2014年3月15日土曜日

研究成果(その2)

今年の成果をここで紹介。

成果(その1)はこちら


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【本研究の狙い】

SiCl4のZn還元法で中間生成物として、
Si-Zn合金が生成していると考え、その挙動を解析。



【実験手法】

真空に引いた石英反応管の内部に
Si粉末とZn粒をるつぼに入れて封入し、
石英反応管を高温の電気炉へ挿入して、Si-Zn合金を生成。




るつぼに入れたSi粉末とZn粒

石英管へ封入



【実験結果】

下の写真のようなSi-Zn合金ができます。


まずは、それをSEM(電子顕微鏡)や、
XRD(X線回折) で分析します。


灰色の塊に




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と、ここまで書いたところで、


Si-Zn合金に関しては、
まだ学会プロシーディングスや
論文などとして紙面での発表をしていないのです。

なので、Webに上げてしまう時点で公知になってしまい、
その後、論文にも特許にも、
「公知なので新規性がない」ということで、
却下されてしまいます。

なので、ここではまだ掲載することができません。

すみません!



その一方で、
その後にSi-Zn合金を処理した結果については、

 安田幸司、野平俊之、萩原理加、本間敬之、
 第45回溶融塩化学討論会要旨集、49–50 (2013).

に掲載されておりますので、
そちらを参照ください。


紙面として全編がどこかで発表されたら、
こちらのブログにて発表させていただきます。



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そして、

本助成の大きな成果の1つ。



助成の研究成果の一部として、

Si-Zn合金を使った電解法を学会発表した

修士1年生の島尾君が、

2013年11月21日に、溶融塩奨励賞を受賞いたしました。



彼の満面の笑みは、
研究室のホームページを参照ください。




助成をいただいた国際科学技術財団に
厚く御礼もうしあげます。

学会発表(その2)

春の学会シーズンです。


2月末には楊さんとアメリカ・カリフォルニアで発表をしてきました。
また、来週には京都で、
日本とノルウェーとのシンポジウムが開催されます。


ということは、
3週間前の2月末、ノルウェーの研究者とはカリフォルニアで一緒だったのに、
明日は京都で一緒ということ。

こちらは太平洋経由で、
向こうは大西洋経由での再会。

何だか不思議な感じですね。



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発表学会:
 The 2014 TMS Annual Meeting
 (米国、サンディエゴ、2014年2月16日~20日)

題目:
 Investigation on the Electrochemical Reduction Behavior of Granular SiO2 in Molten CaCl2

著者:
 楊 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



発表学会:
 The 9th Workshop on Reactive Metal Processing
 (米国、パサデナ、2014年2月21日~22日)


題目:
 Reaction Behavior and Kinetics of Electrochemical Reduction of SiO2 Granules in Molten CaCl2

著者:
 楊 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 A New Electroplating Method using Water-soluble Molten KF-KCl Systems

著者:
 安田 幸司 (発表者、京都大学助教)
 前田 一真 (京都大学大学院修士1年生)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



発表学会:
 7th KIFEE International Symposium on Environment, Energy and Materials
 (同志社大学、2014年3月16日~19日)


題目:
 Direct Electrochemical Reduction of SiO2 Granules in Molten CaCl2

著者:
 楊 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 Electrolytic Reduction of SiO2 on Liquid Zn Cathode in Molten CaCl2
 [ポスター発表]

著者:
 島尾 武征 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 楊 肖  (京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 New Electrodeposition Process of Silicon Utilizing Water-soluble KF-KCl Molten Salt
 [ポスター発表]

著者:
 前田 一真 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)





発表学会:
 資源・素材学会 平成26年度春季大会
 (東京大学、2014年3月26日~28日)

題目:
 KF-KCl-K2SiF6溶融塩中におけるシリコン電析

著者:
 安田 幸司 (発表者、京都大学助教)
 前田 一真 (京都大学大学院修士1年生)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



発表学会:
 電気化学会 第81回大会
 (関西大学、2014年3月29日~31日)


題目:
 溶融CaCl2中での粉末状SiO2の直接電解還元

著者:
 楊 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 溶融CaCl2中における液体Zn電極を用いたSiO2の電解還元

著者:
 島尾 武征 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 楊 肖  (京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 易水溶性フッ化物-塩化物混合溶融塩を用いた新規シリコン電析法

著者:
 前田 一真 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)

2014年2月14日金曜日

修論と卒論の予行会

2月といえば、修論と卒論で忙しい季節です。
今年は、修士が6人、学士が5人卒業するので、
研究室全体があたふたとしています。

今日も、この雪の中、
卒論発表のリハーサルがありました。

午後には、止みました
















4回生にとっては初のリハーサルで、
午後と夕方にはお疲れ会を開催し、
チョコレートケーキやお鍋を、皆でつついておりました。

来週の本番はがんばってください。



バレンタインなのに、何故チョコレートケーキでない。。。













教員はノンアルコールです。理由は下記参照。















彼らの提出原稿がたまっているので、
原稿チェックで、今晩も週末もずっと赤ペン先生です。

そろそろ、研究成果をまとめないとな、と焦ってます。
はぁ。。。
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)