2025年4月17日木曜日

日本国際賞の授賞式

前回はコロナ禍中のために出席できませんでしたが、
今年は、東京で開催された日本国際賞の授賞式に参加する
ことができました。
 
今年の物質・材料、生産分野の受賞者である
デュプイ博士の専門分野である有機半導体には、
あいにく明るくはないのですが、
こういった場に参加することで身が引き締まるのも
大きなモチベーションになります。
 
日々の研究と教育に、
コツコツと励んでまいりたいと改めて感じております。 

新しい受賞会場となった新国立劇場のオペラハウスも素敵でした


2024年8月19日月曜日

金属材料プロセス討論会の開催

8月1日(木)~2(金)にかけて、
神戸市内で第1回金属材料プロセス討論会を開催しました。
 
かつて東大からの発案で行われ、その後に3大学の非鉄製錬の寄付講座が
連携する形で開催していた製錬関係研究会の意義と形式を参考とし、
この度、中堅~若手の討論会として新たに開催いたしました。
私は、実行委員会の1人かつ第1回の世話人として、
研究者を育て上げる場を提供させていただきました。


循環型社会の実現や
資源ナショナリズムの台頭といった昨今の情勢へ対応するために、
金属製錬やリサイクルに関連する技術や研究の重要性が増しています。
特に、関連分野の人材育成が求められており、
このような研究者同士が切磋琢磨しあえる場が、
業界を育てる力となることと期待されます。

第1回への参加者での集合写真


2023年9月10日日曜日

タングステンのリサイクルに向けた研究

2020年まで在籍していた前研究室での成果である、
超硬工具からのタングステンのリサイクルに関する論文が、
この度、採択されました。
 
'Oxidative Dissolution of Cemented Tungsten Carbides in Molten Sodium Carbonate by Addition of Copper(I) Oxide as Oxidizing Agent',
Kouji Yasuda, Kohei Suzuki, Ryotaro Uehata and Rika Hagiwara:
Journal of Sustainable Metallurgy, vol. 9, no. 3 (2023) pp. 1390-1398.
https://doi.org/10.1007/s40831-023-00737-7

前報では、炭酸溶融塩だけであっても、
チップなどの超硬工具からタングステン成分を溶出できる
という内容でしたが、
本報では、炭酸溶融塩に酸化剤となる金属イオンを
入れておくと、より高速で溶出できるという結果を得ています。

2022年11月29日火曜日

博士卒後の様々な進路に関する講演会

私の所属する講座が主催となって、
博士卒の後、研究者として歩まれた方から、
学部生や大学院生のロールモデルの一つとして、
自分の経験や将来に対する期待を語っていただく会を開催いたしました。

博士課程に進学しない学生にとっても、
研究者たるものがどのような者かという理解してもらうとともに、
自分の将来の参考になる共通点なんかがないか、
役立ててもらおうという会です。
例えるなら、就職サイトの「先輩社員の声」コーナーの、研究者版です。
 
私から、2006年のドイツ留学の経験と、
そこから得た経験や自信について、
多くの写真を交えながら紹介いたしました。
たとえ留学をせずとも、学生たちが新天地に向かう際の心構えとしても
役にたってもらえればと思います。



リチウムイオン電池の安全失活に向けた研究

我々のグループで研究を行っている、
リチウムイオン電池の安全失活に向けた研究の論文が、
この度、採択されました。
 
“Submerged Comminution of Lithium-ion Batteries in Water in Inert Atmosphere for Safe Recycling”
Tetsuya Uda, Akihiro Kishimoto, Kouji Yasuda, and Yu-ki Taninouchi
Energy Advances, 1(11), (2022) 935-940.
https://doi.org/10.1039/D2YA00202G 
 
放電されていない電池が廃棄時に混入していたとしても、
水素爆発や火災を引き起こすことのない手法を
目指した研究内容となっています。

論文としては、テキストだけでなく、
動画をご覧いただくほうが、どのような手法であるか
よくわかるかと思います。
Supplementary files に置いてあります。

2022年9月6日火曜日

電気化学誌の電解特集

電気化学会の会員誌「電気化学」において、
特集「持続的成長社会を支える新たな電解技術」
企画させていただきました。

企画して記事を集める
というのは初めての経験だったのですが、
産業側、大学側と様々なステージの電解技術を
紹介することができた
と思ってます。
ご執筆いただいた先生方には、御礼申し上げたいと思います。

同時に、編集の皆様のお力などについても、
深く勉強することができました。
グラフィカルアブストラクトも、
僕の書いたラフなスケッチから、大変キレイに仕上がっております。
ご興味のある方は、ぜひ各記事をご覧ください。

2022年8月28日日曜日

高校生実験教室を開催しました

私たちの豊かな生活には、銅、鉛、亜鉛、金、銀といった
多種多様な非鉄金属が必要不可欠です。
また、金属は鉱石から製造されるだけでなく、
最近では廃棄物からのリサイクルも活発に行われています。
ただ、なかなか実際に、それらの製造工程を目にする機会は多くありません

そこで、安田の所属する非鉄製錬学講座では、
非鉄金属の製造法やリサイクル法を
高校生の皆さんに知ってもらう場として、
体験型の教室である「高校生実験教室」を開催しています。
同時に、金属の製造やリサイクルが、
社会的にいかに重要な分野であるかを感じてもらうような
教育を提供しています。

今回は、8月9日(火)に、8名の高校生を迎えて実施いたしました。
詳しくは、京都大学工学研究科のホームページ
掲載されましたので、そちらをご覧ください。
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)