今回の助成では、
太陽電池に使用される高純度シリコンの製造を目的とし、
四塩化ケイ素(SiCl4)の亜鉛(Zn)還元
に関する研究を行っています。
現在の高純度シリコン製造法であるシーメンス法では、
トリクロロシラン(SiHCl3)を約1100℃で水素還元/熱分解を行い、
高純度シリコンを製造しています。
過去には、
SiCl4のZn還元法を用いた手法も検討されており、
この反応は約900℃で行われます。
【背景2】
高温の反応の場合、
原料と生成物に関しては、
実際に物が得られるので非常に解析が容易なのです。
また、反応の最終形態(生成物、副生成物)は、
熱力学的に計算から求めることができます。
しかし、反応では中間生成物が生成している可能性がありますが、
その存在というのは、高温の電気炉の内部を光学的に分析する
などといった比較的難しい手法を用いないと、
通常、解析することができません。
その一方で、中間生成物は、
生成物の様々な特性に影響を与えている可能性があります。
そのため、どういった化学種が中間生成物として
生成しているかという解析は非常に重要になります。
【本研究の狙い】
SiCl4のZn還元法で中間生成物を考えた研究は
ほぼ皆無ですが、本研究では、
中間生成物として、Si-Zn合金が生成しているのではと考え、
その解析を行っています。
【実験手法】
真空に引いた石英反応管の内部に
Si粉末とZn粒をるつぼに入れて封入します。
石英反応管を高温の電気炉へ挿入し、
高温で保持することでSi-Zn合金を生成いたします。
るつぼに入れたSi粉末とZn粒 |
石英管へ封入 |
実験結果などは、次回の投稿にて報告を。。。
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本日から、北海道大学で開催される、
資源・素材学会秋季大会へ参加してします。
やさしい科学技術セミナーで行うのは
典型的なテルミット反応ですが、今回の発表は、
新規なテルミット反応に関する成果発表を行います。
過去の日記で、
「成果が出ていたら無事に発表」と書いていた内容です。
学生の努力のかいあって、無事に発表できる成果が得られました。
題目:
シリカとアルカリ土類金属のテルミット反応によるシリコン生成とその場温度測定
著者:
板倉 大地 (発表者、京都大学大学院修士2年生)
安田 幸司 (京都大学助教)
野平 俊之 (京都大学准教授)
萩原 理加 (京都大学教授)
本間 敬之 (早稲田大学教授)