2013年9月3日火曜日

研究成果(その1)

【背景1】

今回の助成では、
太陽電池に使用される高純度シリコンの製造を目的とし、
四塩化ケイ素(SiCl4)の亜鉛(Zn)還元
に関する研究を行っています。


現在の高純度シリコン製造法であるシーメンス法では、
トリクロロシラン(SiHCl3)を約1100℃で水素還元/熱分解を行い、
高純度シリコンを製造しています。

過去には、
SiCl4のZn還元法を用いた手法も検討されており、
この反応は約900℃で行われます。



【背景2】

高温の反応の場合、
原料と生成物に関しては、
実際に物が得られるので非常に解析が容易なのです。
また、反応の最終形態(生成物、副生成物)は、
熱力学的に計算から求めることができます。

しかし、反応では中間生成物が生成している可能性がありますが、
その存在というのは、高温の電気炉の内部を光学的に分析する
などといった比較的難しい手法を用いないと、
通常、解析することができません。

その一方で、中間生成物は、
生成物の様々な特性に影響を与えている可能性があります。
そのため、どういった化学種が中間生成物として
生成しているかという解析は非常に重要になります。



【本研究の狙い】

SiCl4のZn還元法で中間生成物を考えた研究は
ほぼ皆無ですが、本研究では、
中間生成物として、Si-Zn合金が生成しているのではと考え、
その解析を行っています。



【実験手法】

真空に引いた石英反応管の内部に
Si粉末とZn粒をるつぼに入れて封入します。

石英反応管を高温の電気炉へ挿入し、
高温で保持することでSi-Zn合金を生成いたします。


るつぼに入れたSi粉末とZn粒

石英管へ封入


実験結果などは、次回の投稿にて報告を。。。



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本日から、北海道大学で開催される、
資源・素材学会秋季大会へ参加してします。

やさしい科学技術セミナーで行うのは
典型的なテルミット反応ですが、今回の発表は、
新規なテルミット反応に関する成果発表を行います。

過去の日記で、
「成果が出ていたら無事に発表」と書いていた内容です。
学生の努力のかいあって、無事に発表できる成果が得られました。


題目:
 シリカとアルカリ土類金属のテルミット反応によるシリコン生成とその場温度測定

著者:
 板倉 大地 (発表者、京都大学大学院修士2年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)

4 件のコメント:

  1. 研究室の学生さんたちとの研究成果を発表なさる機会なのですね。ちょうど今日あたり、佳境を迎えておられるのかな?と想像しています。

    小⇒中⇒高⇒大学(学部)⇒院・研究者とそれぞれの段階で先生と生徒(学生)の位置関係が違って来る面白さ、学習~研究への発展みたいなものものを先生のブログを見て、感じています。

    今回の「やさしい科学技術セミナー」の対象は、小学校6年生ということですから小学校6年生の興味のレベルにフォーカスせねばならないわけですが、考えてみると「これは、難問だぞ~」という気がします。(正直、小学校6年生の頃、自分は何を考えていたのか?もう完璧覚えてませんが。。)

    自分で何を書いているのかわからなくなりました。。。相手により、理解度、感じ方、インパクトの与え方が違うんだよなあ。。。ということを考えているのだと思います。

    板倉さんはじめ、TAの皆さんと、「小学生の頭に金の釘を埋め込むような」衝撃的かつ印象的な実験と講義を行うためには、どうしたら良いか?を相談してください。期待しています。


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    1. 中原様

      昨日、無事に発表を終えました。ホッとしています。

      今回は動画などを使った発表で、
      ビジュアルにうったえるものだったため、
      聴衆からもわかりやすかったというご意見をいただきました。

      やはり、「可視化する」ということは、
      イメージがわきやすいので、セミナーでもそこを心がけたいですね。
      学問というのは、
      起こっている現象を明晰に表すことですので、
      その意味でも可視化というのは大きな武器だと思います。

      実験、座学、サンプル展示など、
      どういう順番にするか色々考えてます。
      タイトルなども、それを受けて考えますのでしばしお待ちください。

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    2. 発表お疲れ様でした。小生も、Panasonic社で主に海外市場での展示会への出展に長く携わった経験があります。Visual Presentationは本当に大切です。無論それだけではダメですが、人々の興味を引き付け、概念を伝えるという点においては、Visual Presentationに勝るものはありません。

      今回のセミナーの対象は小学6年生です。実験を見せて、科学そのものに興味を持ってもらうというのが、まず第一。でも本当は、”事実や現象”を見せてアッと驚かせるだけでなく、その裏にある”真実”を理解させることができればいいですね。たとえば、「燃えるということは、単に火だ熱だ光だ。。。ではなくて、酸化現象の一つなんだ。。。」(そう言い切れるかどうかは別として)という肝心のポイントを、解らせることができたら、最高ですね。
      <事実・現象の裏にある真実に思いを巡らすことのスリル>を子供たちに味あわせるというか、感じてもらいたいと思います。

      是非、将来の科学者を育てるきっかけづくりをお願いします。TAの皆さんにとっても、その辺を一緒に考えてもらい、主体性を持って参加していただくと、勉強になるのではないでしょうか・

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    3. 中原様

      おっしゃる通りで、
      裏にある事象に目を見張り
      真実を見極めるために解析しようという心が重要です。
      「理科」の実験ではなく、
      「科学」の実験を見せるわけですから。

      当日の講演にも、
      そういった切り口を含めておこうと思います。
      ありがとうございます(TAへも特に教育しておきます)。

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亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)