2013年12月22日日曜日

師走のニュース

12月に入り、
師走の名にふさわしく、バタバタとしております。


ニュースその①

やさしい科学セミナーの様子が、
産経子どもニュースに掲載されました。

写真もいっぱい掲載されていますし、
実験や金属サンプル展示の様子が、ありありと伝わってきますね。

全国6300の小中学校に配布、掲示されるそうです!

産経子どもニュース12月19日号


















ニュースその②

宇治の実験室の耐震工事が11月末で完了しました。

消防点検、施設点検、引っ越し(その3)、
復旧作業としているうちに、今に至ります。

点検後に不具合が見つかり、また停電が入ります。
まだ実験できる状態ではありません。
年内は無理かなぁ。。。


工事後の建物入口















ニュースその③

研究室忘年会で、幹事の学生のかわりに、
今年を振り返るイベントを私のほうで開催しました。

一番印象に残った出来事 → 引っ越し
MVP → 教授
粗相とした人 → 自分

との皆さんのアンケート回答でした。

なぜかイベントにがんばる助教でした。
モットーは「無いもんは作る!」。

忘年会用アンケート

2013年12月13日金曜日

研究分野の紹介

やさしい科学技術セミナーも終わり、
ややホッとした感があります。

ただ、知り合いに聞かれた重要な質問に、
1つ答えておかねばと思います。
 「何で、このブログに、
  研究のことではなく、教育のことを多めに書いているのか?」
というものです。


回答は、

セミナーのスライドの1つ(左:M1前田、右:M1島尾)


こちらは左:M2板倉、右:M2近藤























やさしい科学技術セミナーの会場で、
連れて行ったTAの学生を写真つきで紹介するため、
というのが、大きな理由です。

セミナーでも、会場設営から子供たちのサイン攻めまで、
色々と彼らには対応に協力いただきました。
感謝したいと思います。


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さて、セミナーも終わりましたので、
これからのこの研究ブログは、
研究のことについて主に紹介させていただきたいと思います。

まず今日は、私の研究分野について、自己紹介をさせていただきたいと思います。


現在は、主なテーマとして、
太陽電池用高純度シリコンや、
磁石用希土類金属などの特殊金属に関して、
新しい製造法やリサイクル法を研究しています。

研究手法と化合物種類をまとめますと、以下のようになります。


研究グループのテーマとメンバー構成














すなわち、目的金属の酸化物、塩化物、フッ化物を、
電気化学や金属熱還元といった手法により、
金属へと還元するプロセスの研究を行っております。



電気化学は、当研究室が従来から得意としている学問分野であり、
一方、金属熱還元は、私がポスドク時代に勉強した手法を
ベースとして、当研究室では新しい試みとしてはじめております。

そして、本助成のテーマは、
表の右下にあたり、私自身で実験と研究を行っております。

装置の製作に苦労しているのは、
当研究室でまだ手法として確立していないテーマを、
私自らが立ち上げようとしているためです。
無事に実験手法ができあがったら、新しい学生のテーマとして
与えるようにしようかと思っております。



電気化学や熱力学を用いた特殊金属製錬に関する研究は、
今後とも行っていきたいと思います。

ちなみに、製錬でない新テーマも、
予算などを取らずに隠れて実験しながら、虎視眈々と準備中であります。

2013年11月28日木曜日

やさしい科学技術セミナー 開催しました


11月26日(火)に、
兵庫県西宮市の山口小学校で、
第239回やさしい科学技術セミナーを開催いたしました。


体育館のステージにスクリーンを設置しました


















距離が近くなるよう、私自身は生徒と同じ段で話しました















セミナーでは、体育館で小学6年生70名を相手に、
燃焼と金属のおはなしをしました。

私の前に、小学校の理科の先生から、
6年生で習う燃焼の内容を復習いただいて、
そこからのリレー講義としてのセミナーです。



最近の子供たちはおとなしいかと思っていたのですが、
なんのその。

金属に触れてみるコーナーでは、
デスクのまわりに子供たちが集まってきて、
皆で取り合うように、金属や鉱石のサンプルに触れてみる様子は、
やっぱり子供たちのエネルギッシュさというものを、強く感じました。

小学生に囲まれる(安田と)金属サンプル















テルミット反応で生成する液体状の鉄を観察
















今の子供たちには、
物を作ったり見たり触ったりという機会が少ないと思うので、
紙や机の上の知識ではなくて、
実際に物を触って、物を作る様子というのを
五感で感じてほしかったです。

そういう意味では、
この日のセミナーは、味覚以外のすべてを使って、
金属や燃焼、科学の面白さを感じていただけたかなと思います。


最後に示したスライド。実は自分自身が一番実践しています。















あと、セミナーは、
3時間目と4時間目を使って行ったのですが、
その後、生徒さんと一緒に、教室で給食をいただきました。
最近の給食は、なかなかおいしいですね。


その後、生徒さんに囲まれ、
15人くらいにサインを書くこととなりましたが、
英語のサインを筆記体で書けるようにしておいてよかったです。
(こんなところで留学経験が役立つとは。。。)



国際科学技術財団の小倉さんもサインをねだられてました。モテモテ。
















こんな自分ですが、
彼らの目標となれる存在として、お役にたてるなら、
それは素晴らしいことですね。 

子供たちの今後の発展を願ってます。 


末筆となりましたが、このような機会をいただきました
国際科学技術財団と山口小学校の皆様に、深く感謝いたします。



新聞記事
 毎日新聞
 神戸新聞
 産経新聞

関連ページ
 Youtube 第239回やさしい科学技術セミナー
 毎日jp(毎日新聞)
 MSN産経ニュース

2013年11月11日月曜日

学会発表

秋の学会シーズンです。

その他のイベントも入って、この時期は毎年多忙です。
この3週間で、学会×2つ、
学会見学会×2つ、セミナー×2つに参加します。


11月12日(火)~13日(水) 
 資源・素材学会 関西支部「学生のための製錬現場研修会」
  @ 岐阜~富山
11月14日(木)~15日(金)
 第37回電解技術討論会 @ 大阪府立大学
11月16日(土)
 松原先生 やさしい科学技術セミナー お手伝い @神戸大学

11月20日(水)~21日(木)
 第45回溶融塩化学討論会 @慶應義塾大学
11月21日(木)~22日(金)
 資源・素材学会 第49回製錬関係研究会 @ 北九州

11月26日(火)
 やさしい科学技術セミナー @ 兵庫県西宮市 山口小学校




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私が関連するテーマでは、



発表学会:
 224th Meeting of The Electrochemical Society
 (米国、サンフランシスコ)

題目:
 Electrochemical Reduction Behavior of Granular SiO2 in Molten CaCl2

著者:
 楊
 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授) 



発表学会:
 第37回電解技術討論会 
 (大阪府立大学)
  
題目:
 溶融CaCl2中における粉末状SiO2電解還元の反応機構

著者:
 楊
 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)

3週間で2回発表なのに、間の週にも実験する働き者の楊さんです






発表学会:
 第45回溶融塩化学討論会 
 (慶應義塾大学)



題目:
 溶融CaCl2中におけるSiO2電解への液体Si-Zn合金陰極の使用に関する検討

著者:
 
 安田 幸司 (発表者、京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 本間 敬之 (早稲田大学教授) 


題目:
 溶融CaCl2中における液体亜鉛電極の電気化学的挙動

著者:
 
 島尾 武征 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 楊 肖  (京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)


題目:
 KF-KCl-K2SiF6中におけるシリコンの電析反応

著者:
 
 前田 一真 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 本間 敬之 (早稲田大学教授)


題目:
 溶融NaCl-KCl-PrCl3-NdCl3-DyCl3中におけるRE-Ni合金の選択的形成

著者:
 
 近藤 克哉 (発表者、京都大学大学院修士2年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 
M2の近藤君です。
宇治の実験室が工事中で使えないので、
今のうちに修論書いてます。
















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本助成ではSi-Zn合金を使ったZn還元法を研究しているのですが、
その成果の一部が、電解法でSi-Zn合金を使う場合にも適用
できるということで、私と島尾君の発表では、
謝辞に国際科学技術財団を記載させていただいております。
ありがとうございます。

2013年11月5日火曜日

やさしい科学技術セミナー 打ち合わせ

11月1日(金)に、
午前中は自分のセミナーの打ち合わせで
兵庫県西宮市の山口小学校へ、
午後は神戸大学の松原先生へ訪問を行いました。


小学校へは、講演予定のスライド案を持っていったのですが、
「もっとやさしく」「もっとやさしく」と言われまして、
いやぁ、なかなか難しいなぁと。

普段は学会などで、企業や大学の人を相手にしゃべっているので、
そのような一番難しいしゃべり方と、
今回のセミナーで一番やさしいしゃべり方をマスターできれば、
これからは色々と大丈夫かな、という意識もあります。
修行修行。



さて、そんな一日だったのですが、
2つの打ち合わせの合間に、
神戸市立青少年科学館を訪れてきました。


ポートアイランドにあります

小学校の遠足先として人気です




























訪れた目的はというと、
確か液体窒素を使った実験などがあったという
25年ほど前の記憶をたどり、
セミナーでの小学生相手の話し方の参考になるかなと思ったわけです。


しかーし、


がらーーん















行った時間の20分前には、今日の実験展示が
終わってしまってました。

がーん。。。
また今度来よう。。。

2013年10月23日水曜日

学生への新装置

私が行う実験というのは何通りかあります。

 1.自分自身で実験を行うテーマ

 2.今後に向けて新しく立ち上げるテーマの予備実験

 3.学生が新しい段階を迎える際の実験ヘルプ

 4.卒業してしまった学生のデータを、改めて取り直す必要が出たとき

大まかに分けて、上のような感じです。


なお、本助成でいただいているテーマは、
1.で自分自身で実験しています。

実験を打てば、学生よりは期待通りにデータは出るのですが、
大学教員は色々と仕事があるので、
実験する時間がなかなか取れないのが、皆の悩みであります。。。


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さて、先週は、1.自分のテーマへ向けて、
SiCl4の供給装置を組み立てておりましたが、
今週は別の新装置を組み立てております。

3.学生のテーマのヘルプです。


M1の前田君です















装置構成をふくめて、色々とトライしました。


今日は、ガスが詰まりました。
ガスが漏れました。

配管を抜きました。つなぎました。
配管がサビました。

熱いものを急冷させないといけなくて、
水に入れ、激しく湯気を出しました。



などなど、色々とトライし、
ようやくデータが出るところまで、こぎつけました。


電極には、ヤスダの名。置いている時に間違われないように。














そして、出たデータが悩ましい

いいデータのような、よくないデータのような。。。

悩む悩む
そして考える。また考える

これこそが研究者の醍醐味ではないかと思います。



まぁ、彼のテーマなので、
今回の立ち上げ以降は、この悩ましさも彼に引き継ごうかと思います。

2013年10月17日木曜日

SiCl4供給装置と石英反応管

8月22日の記事で書いていたように、
実験をする時間がない引っ越し期間にも研究が進むよう、
その間に製作を進めていた石英反応管が、
完成して先々週の末に納入されました。

本助成の経費で購入させていただきましたので、
報告させていただきます。

図面通りピッタリ














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上の反応管は、内部に四塩化ケイ素(SiCl4)ガスを流して、
高温で反応させるのに使うのですが、
SiCl4を送り込むための装置というのも作る必要があります。


できたのがこちら。

シンプルですが、定量的に供給できます














見ての通り、かなりお手製の装置構成です。


白いホース: アルゴンガス供給ライン
緑のボトル: SiCl4保持容器
プラスチックの箱: 恒温槽となる水の容器
黒いホース: 恒温槽用の装置から水を送り込むライン


昔、東京大学でポスドクをしていた時代に
ほぼ同じものを作っていたので、あっさりできあがりました。
箱の穴あけや、ゴム栓の穴あけと接続など、
ごく簡単な加工を施しただけですけど、けっこう優秀です。

なお、最近の私の学生への口癖は、
「無いもんは自分で作る!」
です。



できあがったので、
修士1回生の前田君と一緒に、本日試運転。

実験に先立ち、
ドラフトの中で、SiCl4の瓶を開けて、
緑のボトルに移し替えるとき。。。

 ふごっ!

って言いたくなる感じの、刺激臭が我々の鼻を襲いました!


SiCl4というのは、
空気中の水分と以下の反応を起こし、
 SiCl4 + 2H2O → SiO2 + 4HCl
塩化水素(HCl、塩酸)のガスを生じます。

そのため、強烈な刺激臭がするわけです。


たったの1~2秒のことなので、
身体にダメージはないのですが、
初めて臭いをくらったときは、精神的にダメージを受けます。

学生の彼は初めてのSiCl4だったので、ややダメージを受けていたようです。

若者よ、がんばれっ!

2013年10月12日土曜日

産業界の勉強

ウチの近くの分野の先生方が、
大阪で行われた電池討論会(10/7~10/9)へ出張されていた週ですが、
私は、同じ大阪でも、インテックス大阪で行われていた
粉体工業展へ出張してきました。


粉体工業展 @ インテックス大阪














展示会は、主に装置メーカーが、
企業間取引のために装置の展示を行っているところなので、
私のような大学の研究者の参加者は
あまりいないことと思います。

大型の製造装置は、
大学に置くようなスペースもありませんし、
製造したものを販売するわけでもありませんので、
実際、購入の対象と直接なるような装置は、ほとんどありません。


それでも、私が学会だけでなく展示会にも足を運ぶのは、

・分析装置は購入する可能性がある

・研究で扱っている対象の物質は、
 産業界ではどのようなパラメータが重要視されているか
 という情報がわかる

・工業的製造を行うには、どのような装置が使われているか
 という情報を持つことによって、現状の技術では
 どこまでが可能でどこからが難しいということを知ることができる

といった理由があります。


私は理学系ではなく工学系の大学教員ですし、
過去には企業に勤務していたことがあるので、
そういった工業的・産業的な視点から、研究内容を考えるというのは、
他の研究者よりも持っておかないといけない能力かと思います。

大学の中にいると、
なかなかそういうセンスが鈍りがちなので、
こういった展示会へ行って、情報収集などを行っているわけです。


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また、産業界に関するアンテナを張る活動の一環として、
私は自分で購読している日本経済新聞を、
読み終わった後は、研究室の学生共通デスクへ寄贈しています。

世間の情報を私も得たいですし、
学生にも触れておいて欲しいですしね。


今日、10月12日の朝刊です。














なお、私のイチオシは、「私の履歴書」

著名な方に、生誕から今までの半生について、
1か月かけて執筆をしてもらうコーナーです。

私にとっても、経済に関する記事はハードルが高いですが、
このコーナーは非常に読みやすいです。
一説によると、 日本経済新聞の中で、一番視聴率(購読率?)が高いコーナーだとか。


10月の連載は、
日本がほこるノーベル賞受賞者の利根川進先生ですので、
ウチの学生たちにも、研究者の考え方や経験を学ぶために、
ぜひ読みなさいと推薦しています。

利根川先生の半生。勉強になります。

2013年10月6日日曜日

装置紹介

なんとか、吉田キャンパスの引っ越しも一段落しました。

梱包に2週間、引っ越しに1週間、復旧に1週間。
1か月間かけて、やっと落ち着いた感じがあります。


グローブボックスも
クレーンで宙を飛びました



















学生部屋も落ち着き、ホッと一息















移動したのは、たった2つ先の建物だったのですが、
かなりの労力を費やしました。

移動前: 60番北側
移動後: 54番南側

ちなみに、同じ助成者の袴田先生は60番西側、
弓削先生は57番南側です。
もともと、ご近所さんです。















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せっかく、宙づりになった装置の写真を掲載したので、
成果報告はちょっと置いておいて、
私の研究で使っている代表的な装置を紹介。


まずは、電気炉

高温で反応を起こすのに使う装置です。


ボックス炉














縦型炉

















横型炉














高周波誘導加熱炉
















ボックス炉 → ある程度大きな容器で反応を起こすのに使用

縦型炉 → 液体の中に何かを抜き差しするのに使用

横型炉 → 温度勾配をつける時に使用

高周波誘導加熱炉 → 急速加熱や局所加熱を行うときに使用


上のように、目的や反応容器に応じて、使い分けます。
中に入れる容器も、金属にしたりセラミックスにしたりと、
実験で使う化学種などによって作り分けます。


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続いて、分析装置

原料や得られた生成物を分析します。



走査型電子顕微鏡(SEM)














エックス線回折装置(XRD)














エックス線光電子分光装置(XPS)














誘導結合プラズマ発光分光装置(ICP-AES)















SEM → 物質の表面形態を観察するのに使用

XRD → 物質の相を同定するのに使用

XPS → 物質表面の化学結合状態を分析するのに使用

ICP-AES → 物質中の不純物量を測定するのに使用


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上のような装置を使って、実験を行っています。

分析装置が揃っていると、
色々な角度で解析ができるので、
どのような反応が起こっているのかを、多角的に解析できる
ようになっていきます。


と言いつつ、
上の8枚の写真の装置のうち、
縦型炉以外は、現在耐震改修中の宇治の建物の中にあります。
そのため、
今は縦型炉だけを使ってできる実験をしているか、
もしくは学生の中には、今のうちに修士論文を書いている学生もいます。

工事が終わる日が楽しみですね。

2013年9月20日金曜日

耐震工事(その2)

8月頭から、
宇治キャンパスにある実験室が耐震工事に入りましたが、
10月からは、吉田キャンパスにある居室が
耐震工事に入ります。

ただいま、半年間の避難先への、
引っ越し準備作業の真っ只中です。
ふぅ。。。


廊下に並べられた梱包済の段ボール

2013年9月14日土曜日

やさしい科学技術セミナー 開催決定

学会での学生の発表も無事に終わり、
涼しい北海道から、暖かい京都に戻ってまいりました。

まだ暑いとは言え、
京都でもそろそろ
秋らしい風を感じることもある季節になってきましたね。


M2の板倉君、わかりやすい発表でした
















一方、秋の終わりに開催する、
当若手助成による

 「やさしい科学技術セミナー」

 の開催がとうとう決まりました!



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日にち: 11月26日(火)

場所: 西宮市立山口小学校(兵庫県西宮市)

テーマ: 燃焼させて金属をつくる?
      ~いろいろな金属に触れてみよう~

講師: 山口小学校 教諭
     京都大学 安田幸司 によるリレー講義

URL: こちら



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対象が小学6年生ということで、
なんと小学校の先生とのリレー講義を実施することにいたしました。

実験もします!
展示もします!!


友人からは
 「でんじろう先生みたいなんするん?」
と聞かれます。

そのとーりです!!!



ただいま、色々な準備で、
財団や山口小学校の方のみならず、
色々な方にご協力をいただきながら準備をすすめております。

皆様に感謝しつつ、
わかりやすく、科学技術へ興味を持てるような
セミナーにしたいと思います。がんばります。

2013年9月3日火曜日

研究成果(その1)

【背景1】

今回の助成では、
太陽電池に使用される高純度シリコンの製造を目的とし、
四塩化ケイ素(SiCl4)の亜鉛(Zn)還元
に関する研究を行っています。


現在の高純度シリコン製造法であるシーメンス法では、
トリクロロシラン(SiHCl3)を約1100℃で水素還元/熱分解を行い、
高純度シリコンを製造しています。

過去には、
SiCl4のZn還元法を用いた手法も検討されており、
この反応は約900℃で行われます。



【背景2】

高温の反応の場合、
原料と生成物に関しては、
実際に物が得られるので非常に解析が容易なのです。
また、反応の最終形態(生成物、副生成物)は、
熱力学的に計算から求めることができます。

しかし、反応では中間生成物が生成している可能性がありますが、
その存在というのは、高温の電気炉の内部を光学的に分析する
などといった比較的難しい手法を用いないと、
通常、解析することができません。

その一方で、中間生成物は、
生成物の様々な特性に影響を与えている可能性があります。
そのため、どういった化学種が中間生成物として
生成しているかという解析は非常に重要になります。



【本研究の狙い】

SiCl4のZn還元法で中間生成物を考えた研究は
ほぼ皆無ですが、本研究では、
中間生成物として、Si-Zn合金が生成しているのではと考え、
その解析を行っています。



【実験手法】

真空に引いた石英反応管の内部に
Si粉末とZn粒をるつぼに入れて封入します。

石英反応管を高温の電気炉へ挿入し、
高温で保持することでSi-Zn合金を生成いたします。


るつぼに入れたSi粉末とZn粒

石英管へ封入


実験結果などは、次回の投稿にて報告を。。。



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本日から、北海道大学で開催される、
資源・素材学会秋季大会へ参加してします。

やさしい科学技術セミナーで行うのは
典型的なテルミット反応ですが、今回の発表は、
新規なテルミット反応に関する成果発表を行います。

過去の日記で、
「成果が出ていたら無事に発表」と書いていた内容です。
学生の努力のかいあって、無事に発表できる成果が得られました。


題目:
 シリカとアルカリ土類金属のテルミット反応によるシリコン生成とその場温度測定

著者:
 板倉 大地 (発表者、京都大学大学院修士2年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)

2013年8月22日木曜日

装置は大切なのです

前述のとおり、
実験場所をうつして最近の研究を行っております。

1人の研究者である私の、
そんな今日の実態をありのままに。
(途中、ありのままな雰囲気の言葉が出てきます。)



【1】

他の研究室で不要になったデスクなどを分けてくれる
展示会があるというので、物品収集に行ってきました。

戦利品は、
 ・作業台×1 → 実験用
 ・デスク×1 → 実験室の休憩用
 ・ロッカー×1 → 白衣とかコートとかを収納用
 ・椅子×3 → 実験室や休憩室用
です。

研究といえども、設備や装置は非常に大切です。
新しい場所にうつったので、
色々と不足しており、助かりました。

と思ったら、ウチと同じ建物に研究室がある、
同じく助成者の袴田先生も、物品収集に来てました。
めっちゃ持って帰ってるじゃないですか。
いいなぁー(早い者勝ちの会でした)。


【2】

同じく前の記事で言っていた、
研究の後半部を進めるのに必要な装置の設計図を作り、
業者の方をお呼びして、製作を依頼しました。

向こうの方がプロなので、
こちらの意図を組みつつも、こうしたらいいですよ、とか
アドバイスをいただきました。

学会や実験室整備などで 、研究が進みにくいときこそ、
こうした装置製作とかを進めてもらうチャンスです。
1か月後くらいに届くといいなぁー。


こちらで書いた設計図














【3】

実験室が電気容量オーバーで、
ブレーカーが落ちたというので対処。

ホームセンターへ行き、延長コードなどを購入して、
電気配線のやり直し。。。


【4】

そろそろ〆切の論文を、
昨日までにだいたいまとめたので、一括してプリントアウト。

印刷したところで、ちょっと一息。


【5】

暑い中、ロッカーなどを運んでくれた学生へ資金をわたし、
ご褒美として、研究室のかき氷機で
かき氷を作って食べてもらいました。
もちろん、私や秘書さん方へも運んできてもらいましたよ。

先週も似たようなことして、
ブルーハワイ、メロン、カルピスときていたのですが、
今日は特に肉体労働だったので、宇治金時(アイスつき)という高級品です。



ウチらが子供のころって、
だいたいみんな一度は作ったことがあるもんなんですが、
最近の学生さんは、そういう経験ないんですね。

そんな彼らですが、
かき氷機の氷を入れるところがどこかわからず、
色々なところを開けようとしていましたが、開けられませんでした。
科学者、技術者の卵として、
装置に関するそういったセンスは磨いてほしかった!(本音)

皆で働いたご褒美です






















かき氷食べ終わったら、【4】の執筆と、
本研究助成の前半部成果のまとめ、がんばります。

そろそろ、ここのブログに、
研究成果も書かないといけないと思っております。
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)