2014年10月13日月曜日

レアアースリサイクル法の成果発表

9月~10月にかけての北米出張で、
レアアース(希土類元素)のリサイクル法に関する
基礎研究の成果を、2件発表いたしました。



'Electrochemical Formation of RE-Ni (RE= Nd, Dy, Pr) Alloys in Molten Salts',
Kouji Yasuda, Katsuya Kondo, Seitaro Kobayashi, Toshiyuki Nohira and Rika Hagiwara: 
COM 2014 - 53rd Annual Conference of Metallurgists, Vancouver, Canada, 28 Seprember-1 October, 2014.

'Selective Formation of Rare Earth-Nickel Alloys Via Electrochemical Reactions
 in NaCl-KCl Molten Salt',
Kouji Yasuda, Katsuya Kondo, Seitaro Kobayashi, Toshiyuki Nohira and Rika Hagiwara: 
226th Meeting of The Electrochemical Society, Cancun, Mexico, 5-10 October, 2014.


アメリカ電気化学会の溶融塩・イオン液体のセッション














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日本は高機能材料を使った製品を行っており、
ネオジム磁石と呼ばれる世界最強磁石をはじめとする
希土類磁石も、日本の誇る高機能材料です。

2010年以後、希土類原料の輸出が中国から規制され、
それ以後、日本国内では使用済磁石からの
希土類元素のリサイクル法に関する研究が盛んにおこなわれています。
また、希土類を地殻から採掘すると、
環境破壊につながるため、環境保護の観点からも
リサイクルの必要性が訴えられています。


我々の研究室でも、
得意とする溶融塩技術や電気化学反応を利用し、
ネオジム磁石からのリサイクルプロセスを提案して研究を行っております。


我々が提唱するプロセスの概念図













我々の手法では、
磁石中に含まれている希土類元素を電気化学的に抽出し、
元素ごとにおける隔膜の透過性の違いを利用して、
それぞれの元素を分離して回収いたします。

今回の発表では、
どの程度の分離能があるのかという発表を行いました。



学会で出版された要旨集、

ECS Transactions, Molten Salts and Ionic Liquids 19,
edited by W. M. Reichert, A. Ispas, A. Bund, H. C. De Long, L. M. Haverhais,
M. Mizuhata, P. C. Trulove, and R. A. Mantz, vol.64, no.4, pp. 601-607 (2014).

に一部の結果を掲載しております。


近日中にも、
詳細なデータを掲載して、論文として発表する予定です。
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)