2014年3月21日金曜日

出版物のお知らせ

前の記事に書いたように、
技術論文はまだ公になっていないのですが、
下記2件が出版されましたので、情報を記します。


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① 解説論文

Kouji Yasuda, Kazuki Morita and Toru H. Okabe,
“Processes for Production of Solar-Grade Silicon
  Using Hydrogen Reduction and/or Thermal Decomposition”
Energy Technology, 2(2), 141-154 (2014).


⇒ 現在までに行われてきた種々の高純度シリコン製造プロセスを分類し、
   それらの原理や特徴を比較・検討することで、
   プロセスの解析を行ったレビュー論文です。

   論文へのリンクはこちら

   他にもシリコン製造法の解説論文を書いておりますので、
   ご興味の方は、私のデータベースを参照ください。



② 著書

“化学便覧 応用化学編 第7版”
月橋文孝、岡部徹、安田幸司(分担執筆)、
丸善出版株式会社, 東京, 2014年1月.
第13章 金属材料 13.2 金属の製錬と高純度化
13.2.1 金属の製錬法(月橋文孝、岡部徹、安田幸司).


⇒ 発展の大きい分野も、既往の化学技術・産業もこの一冊で概要がわかる。
   化学の専門家が、やや専門の異なる領域を調べるさいに役立つ、
   化学系の研究のバイブルです。

   丸善出版のホームページはこちら

   分担執筆ですので、
   私が分担させていただいたのはシリコンのところだけです。
   記載内容の分野に関して何かわからない点などありましたら、
   私の方までぜひご質問ください。

2014年3月15日土曜日

研究成果(その2)

今年の成果をここで紹介。

成果(その1)はこちら


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【本研究の狙い】

SiCl4のZn還元法で中間生成物として、
Si-Zn合金が生成していると考え、その挙動を解析。



【実験手法】

真空に引いた石英反応管の内部に
Si粉末とZn粒をるつぼに入れて封入し、
石英反応管を高温の電気炉へ挿入して、Si-Zn合金を生成。




るつぼに入れたSi粉末とZn粒

石英管へ封入



【実験結果】

下の写真のようなSi-Zn合金ができます。


まずは、それをSEM(電子顕微鏡)や、
XRD(X線回折) で分析します。


灰色の塊に




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と、ここまで書いたところで、


Si-Zn合金に関しては、
まだ学会プロシーディングスや
論文などとして紙面での発表をしていないのです。

なので、Webに上げてしまう時点で公知になってしまい、
その後、論文にも特許にも、
「公知なので新規性がない」ということで、
却下されてしまいます。

なので、ここではまだ掲載することができません。

すみません!



その一方で、
その後にSi-Zn合金を処理した結果については、

 安田幸司、野平俊之、萩原理加、本間敬之、
 第45回溶融塩化学討論会要旨集、49–50 (2013).

に掲載されておりますので、
そちらを参照ください。


紙面として全編がどこかで発表されたら、
こちらのブログにて発表させていただきます。



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そして、

本助成の大きな成果の1つ。



助成の研究成果の一部として、

Si-Zn合金を使った電解法を学会発表した

修士1年生の島尾君が、

2013年11月21日に、溶融塩奨励賞を受賞いたしました。



彼の満面の笑みは、
研究室のホームページを参照ください。




助成をいただいた国際科学技術財団に
厚く御礼もうしあげます。

学会発表(その2)

春の学会シーズンです。


2月末には楊さんとアメリカ・カリフォルニアで発表をしてきました。
また、来週には京都で、
日本とノルウェーとのシンポジウムが開催されます。


ということは、
3週間前の2月末、ノルウェーの研究者とはカリフォルニアで一緒だったのに、
明日は京都で一緒ということ。

こちらは太平洋経由で、
向こうは大西洋経由での再会。

何だか不思議な感じですね。



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発表学会:
 The 2014 TMS Annual Meeting
 (米国、サンディエゴ、2014年2月16日~20日)

題目:
 Investigation on the Electrochemical Reduction Behavior of Granular SiO2 in Molten CaCl2

著者:
 楊 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



発表学会:
 The 9th Workshop on Reactive Metal Processing
 (米国、パサデナ、2014年2月21日~22日)


題目:
 Reaction Behavior and Kinetics of Electrochemical Reduction of SiO2 Granules in Molten CaCl2

著者:
 楊 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 A New Electroplating Method using Water-soluble Molten KF-KCl Systems

著者:
 安田 幸司 (発表者、京都大学助教)
 前田 一真 (京都大学大学院修士1年生)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



発表学会:
 7th KIFEE International Symposium on Environment, Energy and Materials
 (同志社大学、2014年3月16日~19日)


題目:
 Direct Electrochemical Reduction of SiO2 Granules in Molten CaCl2

著者:
 楊 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 Electrolytic Reduction of SiO2 on Liquid Zn Cathode in Molten CaCl2
 [ポスター発表]

著者:
 島尾 武征 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 楊 肖  (京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 New Electrodeposition Process of Silicon Utilizing Water-soluble KF-KCl Molten Salt
 [ポスター発表]

著者:
 前田 一真 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)





発表学会:
 資源・素材学会 平成26年度春季大会
 (東京大学、2014年3月26日~28日)

題目:
 KF-KCl-K2SiF6溶融塩中におけるシリコン電析

著者:
 安田 幸司 (発表者、京都大学助教)
 前田 一真 (京都大学大学院修士1年生)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



発表学会:
 電気化学会 第81回大会
 (関西大学、2014年3月29日~31日)


題目:
 溶融CaCl2中での粉末状SiO2の直接電解還元

著者:
 楊 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 溶融CaCl2中における液体Zn電極を用いたSiO2の電解還元

著者:
 島尾 武征 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 楊 肖  (京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)



題目:
 易水溶性フッ化物-塩化物混合溶融塩を用いた新規シリコン電析法

著者:
 前田 一真 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)