2013年5月24日金曜日

石英管加工

助成いただいているテーマと
やさしい科学技術セミナーの両方で、
ハンドバーナーを使用予定にしています。


ということで、買いました! 

ハンドバーナー(ボンベは3本購入)























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まだここに内容を書けてませんが、
助成のテーマは、蒸気圧の高い物質を高温で反応させて
サンプルを作製します。

そのため、
いわゆる 『ツーツー』な容器では、
空いている位置から、物質ガスがどんどん逃げていくわけです。
そこで、ガラス容器を加工して、
サンプルを容器内部へ『封入』します。
そうすると、密閉された内部で反応が進ませることができるんですね。


ちなみに、
ウチの研究室には都市ガスが通っているのに、
何故わざわざハンドバーナーを買ったかというのにも、理由があります。

よく実験で使うガラスはパイレックスガラスといって、
600℃くらいの温度をかければ軟化して加工ができるようになります。
都市ガスは主成分がメタン+エタン
火力が弱いのですが、パイレックスガラスならば十分なわけです。

しかし、
今回のテーマでは1000℃手前での反応を行います。
すると、パイレックスガラスでは、この温度にもたないんですね。
そのため、1200℃くらいまでもつ石英ガラスを使うわけです。

加工するのにも、より高温が必要なので、
都市ガスだと火力が足りず、プロパン+ブタンの入ったバーナー
今回購入したわけです。


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ということで、とりあえず練習からスタート。



ゴゴゴ。。。という音がします





















いや、意外に熱いぞ。。。

ということで、改良。


手持ちには限界があるので、クランプで保持することに。


















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外注でもガラス容器はできるんですが、
お金もかかるし、何より時間がかかる。 

改良をするのも難しいので、オリジナリティある研究のためには、
自分で新しい装置を考案して自作することが大切なんです。




ということで、
日々、職人へ向けて修行です。

2013年5月10日金曜日

ゴールデンウィーク実験

ウチの研究室は、デスクが京大吉田キャンパス
主な実験室が京大宇治キャンパにあるという
変わった研究室です。

距離にして20km、キャンパス間バスに乗って50分かかります。
私鉄に乗っても移動できます。




そのため、特に修士1年生の学生にとっては、
午前中は吉田キャンパスで授業、
午後からは宇治キャンパスに移動して研究という日々になります。
慣れれば楽なのですが、意外につらいです。

なので、ウチの研究室では、
研究室へ来ないといけない時間(コアタイム)を作らずに、

成果が一番上がるよう、
 いつ実験をしていつ休むという、 
 1週間の予定は、自分でマネージメントする

というルールで動いています。
つまり、自由にしていいという意味では、
将来の研究者へ育てるべく、学生を大人扱いしています。

ただし、ゼミなど全員出席の行事もあります。


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しかし、研究室に加入したばかりのメンバーは、
人に実験を教えてもらわないといけないので、
その人との予定を合わさないといけません。


新しく研究室に配属された修士1年生の島尾君
学部は同志社大学の卒業で、
4月から京都大学修士課程の学生になりました。

私から直接実験を指導しているのですが、
1回目の実験に何時間かかるかなと計算をしていたら、
電気炉の昇温を含めて、10時間。

うーん、けっこうかかるなぁ、
彼の授業時間を考えると、授業が1つも入っていない金曜日かな
と思っていたところ、
彼から
 「5月5日(日)に、実験指導していただいてもいいですか!」
と言われて、ちょっとビックリ!


ゴールデンウィークの真っただ中ですが、

・学生の能力の中で 一番育てたいけどなかなか育たないのがやる気

・教員として一番やってはいけないのが
 やる気のある学生のやる気を削ぐこと

・科学者を目指す者、
 やりたいことは基本的にまずトライするもの

ですので、喜んで快諾しました。


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下は、そんなゴールデンウィーク
5月5日(日)の写真です。
(本人から掲載許可をもらいました)



高温で赤く光る電気炉を相手にがんばっています

亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)