実験をする時間がない引っ越し期間にも研究が進むよう、
その間に製作を進めていた石英反応管が、
完成して先々週の末に納入されました。
本助成の経費で購入させていただきましたので、
報告させていただきます。
図面通りピッタリ |
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上の反応管は、内部に四塩化ケイ素(SiCl4)ガスを流して、
高温で反応させるのに使うのですが、
SiCl4を送り込むための装置というのも作る必要があります。
できたのがこちら。
シンプルですが、定量的に供給できます |
見ての通り、かなりお手製の装置構成です。
白いホース: アルゴンガス供給ライン
緑のボトル: SiCl4保持容器
プラスチックの箱: 恒温槽となる水の容器
黒いホース: 恒温槽用の装置から水を送り込むライン
昔、東京大学でポスドクをしていた時代に
ほぼ同じものを作っていたので、あっさりできあがりました。
箱の穴あけや、ゴム栓の穴あけと接続など、
ごく簡単な加工を施しただけですけど、けっこう優秀です。
なお、最近の私の学生への口癖は、
「無いもんは自分で作る!」
です。
できあがったので、
修士1回生の前田君と一緒に、本日試運転。
実験に先立ち、
ドラフトの中で、SiCl4の瓶を開けて、
緑のボトルに移し替えるとき。。。
ふごっ!
って言いたくなる感じの、刺激臭が我々の鼻を襲いました!
SiCl4というのは、
空気中の水分と以下の反応を起こし、
SiCl4 + 2H2O → SiO2 + 4HCl
塩化水素(HCl、塩酸)のガスを生じます。
そのため、強烈な刺激臭がするわけです。
たったの1~2秒のことなので、
身体にダメージはないのですが、
初めて臭いをくらったときは、精神的にダメージを受けます。
学生の彼は初めてのSiCl4だったので、ややダメージを受けていたようです。
若者よ、がんばれっ!