2013年10月17日木曜日

SiCl4供給装置と石英反応管

8月22日の記事で書いていたように、
実験をする時間がない引っ越し期間にも研究が進むよう、
その間に製作を進めていた石英反応管が、
完成して先々週の末に納入されました。

本助成の経費で購入させていただきましたので、
報告させていただきます。

図面通りピッタリ














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上の反応管は、内部に四塩化ケイ素(SiCl4)ガスを流して、
高温で反応させるのに使うのですが、
SiCl4を送り込むための装置というのも作る必要があります。


できたのがこちら。

シンプルですが、定量的に供給できます














見ての通り、かなりお手製の装置構成です。


白いホース: アルゴンガス供給ライン
緑のボトル: SiCl4保持容器
プラスチックの箱: 恒温槽となる水の容器
黒いホース: 恒温槽用の装置から水を送り込むライン


昔、東京大学でポスドクをしていた時代に
ほぼ同じものを作っていたので、あっさりできあがりました。
箱の穴あけや、ゴム栓の穴あけと接続など、
ごく簡単な加工を施しただけですけど、けっこう優秀です。

なお、最近の私の学生への口癖は、
「無いもんは自分で作る!」
です。



できあがったので、
修士1回生の前田君と一緒に、本日試運転。

実験に先立ち、
ドラフトの中で、SiCl4の瓶を開けて、
緑のボトルに移し替えるとき。。。

 ふごっ!

って言いたくなる感じの、刺激臭が我々の鼻を襲いました!


SiCl4というのは、
空気中の水分と以下の反応を起こし、
 SiCl4 + 2H2O → SiO2 + 4HCl
塩化水素(HCl、塩酸)のガスを生じます。

そのため、強烈な刺激臭がするわけです。


たったの1~2秒のことなので、
身体にダメージはないのですが、
初めて臭いをくらったときは、精神的にダメージを受けます。

学生の彼は初めてのSiCl4だったので、ややダメージを受けていたようです。

若者よ、がんばれっ!
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)