2014年1月12日日曜日

明けましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。


新年の1日目は、
研究室全員で、大学前の吉田神社へ祈祷に行ってまいりました。
まずは皆の健康を祈念。

今年も良い1年でありますように















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さて、2014年に入り、まだ半月も過ぎていませんが、
大きな仕事がありました。

それは、「核燃料物質の安全管理講習会」



と言いますのも、
大学の教員は、大学院もしくは学部の所属で、
研究と学生の教育が主業務になる方が多いですが、
私は異なります。

環境安全保健機構が正式な所属で、
大学院エネルギー科学研究科が兼務先になります。
ちょっとレアな教員になります。


この機構は、京都大学の全学機構であり、
各学部間の連携を取って、大学の環境と安全等の確保をするのが
目的な組織であります。

機構の業務を行うにあたっては、
研究者、教育者とは違う、
事務員としてのスタンスが求められます。
そのため、事務部との密な連携を取りながら、
マルチな仕事の仕方が要求されるというポジションになります。



1月10日には、年に一度の上述の講習会を開催し、
昨年に続きまして、講師として、
京大内部における核燃料の管理状況について、
45分ほどの講演を行いました。

聴講者も近隣の大学を含めて80名前後が集まり、
外部の講師を1名お招きして、
京大からは私が状況を説明した会となりました。

通常、講習ではあまり質問が出にくいのですが、
今回は2つの講演について、
最後に合わせて質問を受け付けたところ、計8つもの質問をいただきました。

参加者からの興味ある会合となり、
講習の企画としては成功だったかと、ほっと胸を撫で下ろしてます。


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というわけで、
講習も無事に終わったので、
今度は研究者としての側面に戻り、
電気炉の仕込みをして、休みの朝から自分で実験を行っている、
新年の朝であります。

まだまだ昇温中

2013年12月22日日曜日

師走のニュース

12月に入り、
師走の名にふさわしく、バタバタとしております。


ニュースその①

やさしい科学セミナーの様子が、
産経子どもニュースに掲載されました。

写真もいっぱい掲載されていますし、
実験や金属サンプル展示の様子が、ありありと伝わってきますね。

全国6300の小中学校に配布、掲示されるそうです!

産経子どもニュース12月19日号


















ニュースその②

宇治の実験室の耐震工事が11月末で完了しました。

消防点検、施設点検、引っ越し(その3)、
復旧作業としているうちに、今に至ります。

点検後に不具合が見つかり、また停電が入ります。
まだ実験できる状態ではありません。
年内は無理かなぁ。。。


工事後の建物入口















ニュースその③

研究室忘年会で、幹事の学生のかわりに、
今年を振り返るイベントを私のほうで開催しました。

一番印象に残った出来事 → 引っ越し
MVP → 教授
粗相とした人 → 自分

との皆さんのアンケート回答でした。

なぜかイベントにがんばる助教でした。
モットーは「無いもんは作る!」。

忘年会用アンケート

2013年12月13日金曜日

研究分野の紹介

やさしい科学技術セミナーも終わり、
ややホッとした感があります。

ただ、知り合いに聞かれた重要な質問に、
1つ答えておかねばと思います。
 「何で、このブログに、
  研究のことではなく、教育のことを多めに書いているのか?」
というものです。


回答は、

セミナーのスライドの1つ(左:M1前田、右:M1島尾)


こちらは左:M2板倉、右:M2近藤























やさしい科学技術セミナーの会場で、
連れて行ったTAの学生を写真つきで紹介するため、
というのが、大きな理由です。

セミナーでも、会場設営から子供たちのサイン攻めまで、
色々と彼らには対応に協力いただきました。
感謝したいと思います。


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さて、セミナーも終わりましたので、
これからのこの研究ブログは、
研究のことについて主に紹介させていただきたいと思います。

まず今日は、私の研究分野について、自己紹介をさせていただきたいと思います。


現在は、主なテーマとして、
太陽電池用高純度シリコンや、
磁石用希土類金属などの特殊金属に関して、
新しい製造法やリサイクル法を研究しています。

研究手法と化合物種類をまとめますと、以下のようになります。


研究グループのテーマとメンバー構成














すなわち、目的金属の酸化物、塩化物、フッ化物を、
電気化学や金属熱還元といった手法により、
金属へと還元するプロセスの研究を行っております。



電気化学は、当研究室が従来から得意としている学問分野であり、
一方、金属熱還元は、私がポスドク時代に勉強した手法を
ベースとして、当研究室では新しい試みとしてはじめております。

そして、本助成のテーマは、
表の右下にあたり、私自身で実験と研究を行っております。

装置の製作に苦労しているのは、
当研究室でまだ手法として確立していないテーマを、
私自らが立ち上げようとしているためです。
無事に実験手法ができあがったら、新しい学生のテーマとして
与えるようにしようかと思っております。



電気化学や熱力学を用いた特殊金属製錬に関する研究は、
今後とも行っていきたいと思います。

ちなみに、製錬でない新テーマも、
予算などを取らずに隠れて実験しながら、虎視眈々と準備中であります。

2013年11月28日木曜日

やさしい科学技術セミナー 開催しました


11月26日(火)に、
兵庫県西宮市の山口小学校で、
第239回やさしい科学技術セミナーを開催いたしました。


体育館のステージにスクリーンを設置しました


















距離が近くなるよう、私自身は生徒と同じ段で話しました















セミナーでは、体育館で小学6年生70名を相手に、
燃焼と金属のおはなしをしました。

私の前に、小学校の理科の先生から、
6年生で習う燃焼の内容を復習いただいて、
そこからのリレー講義としてのセミナーです。



最近の子供たちはおとなしいかと思っていたのですが、
なんのその。

金属に触れてみるコーナーでは、
デスクのまわりに子供たちが集まってきて、
皆で取り合うように、金属や鉱石のサンプルに触れてみる様子は、
やっぱり子供たちのエネルギッシュさというものを、強く感じました。

小学生に囲まれる(安田と)金属サンプル















テルミット反応で生成する液体状の鉄を観察
















今の子供たちには、
物を作ったり見たり触ったりという機会が少ないと思うので、
紙や机の上の知識ではなくて、
実際に物を触って、物を作る様子というのを
五感で感じてほしかったです。

そういう意味では、
この日のセミナーは、味覚以外のすべてを使って、
金属や燃焼、科学の面白さを感じていただけたかなと思います。


最後に示したスライド。実は自分自身が一番実践しています。















あと、セミナーは、
3時間目と4時間目を使って行ったのですが、
その後、生徒さんと一緒に、教室で給食をいただきました。
最近の給食は、なかなかおいしいですね。


その後、生徒さんに囲まれ、
15人くらいにサインを書くこととなりましたが、
英語のサインを筆記体で書けるようにしておいてよかったです。
(こんなところで留学経験が役立つとは。。。)



国際科学技術財団の小倉さんもサインをねだられてました。モテモテ。
















こんな自分ですが、
彼らの目標となれる存在として、お役にたてるなら、
それは素晴らしいことですね。 

子供たちの今後の発展を願ってます。 


末筆となりましたが、このような機会をいただきました
国際科学技術財団と山口小学校の皆様に、深く感謝いたします。



新聞記事
 毎日新聞
 神戸新聞
 産経新聞

関連ページ
 Youtube 第239回やさしい科学技術セミナー
 毎日jp(毎日新聞)
 MSN産経ニュース

2013年11月11日月曜日

学会発表

秋の学会シーズンです。

その他のイベントも入って、この時期は毎年多忙です。
この3週間で、学会×2つ、
学会見学会×2つ、セミナー×2つに参加します。


11月12日(火)~13日(水) 
 資源・素材学会 関西支部「学生のための製錬現場研修会」
  @ 岐阜~富山
11月14日(木)~15日(金)
 第37回電解技術討論会 @ 大阪府立大学
11月16日(土)
 松原先生 やさしい科学技術セミナー お手伝い @神戸大学

11月20日(水)~21日(木)
 第45回溶融塩化学討論会 @慶應義塾大学
11月21日(木)~22日(金)
 資源・素材学会 第49回製錬関係研究会 @ 北九州

11月26日(火)
 やさしい科学技術セミナー @ 兵庫県西宮市 山口小学校




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私が関連するテーマでは、



発表学会:
 224th Meeting of The Electrochemical Society
 (米国、サンフランシスコ)

題目:
 Electrochemical Reduction Behavior of Granular SiO2 in Molten CaCl2

著者:
 楊
 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授) 



発表学会:
 第37回電解技術討論会 
 (大阪府立大学)
  
題目:
 溶融CaCl2中における粉末状SiO2電解還元の反応機構

著者:
 楊
 肖  (発表者、京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)

3週間で2回発表なのに、間の週にも実験する働き者の楊さんです






発表学会:
 第45回溶融塩化学討論会 
 (慶應義塾大学)



題目:
 溶融CaCl2中におけるSiO2電解への液体Si-Zn合金陰極の使用に関する検討

著者:
 
 安田 幸司 (発表者、京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 本間 敬之 (早稲田大学教授) 


題目:
 溶融CaCl2中における液体亜鉛電極の電気化学的挙動

著者:
 
 島尾 武征 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 楊 肖  (京都大学特定助教)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 一坪 幸輝 (太平洋セメント株式会社)
 増田 賢太 (太平洋セメント株式会社)
 本間 敬之 (早稲田大学教授)


題目:
 KF-KCl-K2SiF6中におけるシリコンの電析反応

著者:
 
 前田 一真 (発表者、京都大学大学院修士1年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 本間 敬之 (早稲田大学教授)


題目:
 溶融NaCl-KCl-PrCl3-NdCl3-DyCl3中におけるRE-Ni合金の選択的形成

著者:
 
 近藤 克哉 (発表者、京都大学大学院修士2年生)
 安田 幸司 (京都大学助教)
 野平 俊之 (京都大学准教授)
 萩原 理加 (京都大学教授)

 
M2の近藤君です。
宇治の実験室が工事中で使えないので、
今のうちに修論書いてます。
















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本助成ではSi-Zn合金を使ったZn還元法を研究しているのですが、
その成果の一部が、電解法でSi-Zn合金を使う場合にも適用
できるということで、私と島尾君の発表では、
謝辞に国際科学技術財団を記載させていただいております。
ありがとうございます。

2013年11月5日火曜日

やさしい科学技術セミナー 打ち合わせ

11月1日(金)に、
午前中は自分のセミナーの打ち合わせで
兵庫県西宮市の山口小学校へ、
午後は神戸大学の松原先生へ訪問を行いました。


小学校へは、講演予定のスライド案を持っていったのですが、
「もっとやさしく」「もっとやさしく」と言われまして、
いやぁ、なかなか難しいなぁと。

普段は学会などで、企業や大学の人を相手にしゃべっているので、
そのような一番難しいしゃべり方と、
今回のセミナーで一番やさしいしゃべり方をマスターできれば、
これからは色々と大丈夫かな、という意識もあります。
修行修行。



さて、そんな一日だったのですが、
2つの打ち合わせの合間に、
神戸市立青少年科学館を訪れてきました。


ポートアイランドにあります

小学校の遠足先として人気です




























訪れた目的はというと、
確か液体窒素を使った実験などがあったという
25年ほど前の記憶をたどり、
セミナーでの小学生相手の話し方の参考になるかなと思ったわけです。


しかーし、


がらーーん















行った時間の20分前には、今日の実験展示が
終わってしまってました。

がーん。。。
また今度来よう。。。

2013年10月23日水曜日

学生への新装置

私が行う実験というのは何通りかあります。

 1.自分自身で実験を行うテーマ

 2.今後に向けて新しく立ち上げるテーマの予備実験

 3.学生が新しい段階を迎える際の実験ヘルプ

 4.卒業してしまった学生のデータを、改めて取り直す必要が出たとき

大まかに分けて、上のような感じです。


なお、本助成でいただいているテーマは、
1.で自分自身で実験しています。

実験を打てば、学生よりは期待通りにデータは出るのですが、
大学教員は色々と仕事があるので、
実験する時間がなかなか取れないのが、皆の悩みであります。。。


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さて、先週は、1.自分のテーマへ向けて、
SiCl4の供給装置を組み立てておりましたが、
今週は別の新装置を組み立てております。

3.学生のテーマのヘルプです。


M1の前田君です















装置構成をふくめて、色々とトライしました。


今日は、ガスが詰まりました。
ガスが漏れました。

配管を抜きました。つなぎました。
配管がサビました。

熱いものを急冷させないといけなくて、
水に入れ、激しく湯気を出しました。



などなど、色々とトライし、
ようやくデータが出るところまで、こぎつけました。


電極には、ヤスダの名。置いている時に間違われないように。














そして、出たデータが悩ましい

いいデータのような、よくないデータのような。。。

悩む悩む
そして考える。また考える

これこそが研究者の醍醐味ではないかと思います。



まぁ、彼のテーマなので、
今回の立ち上げ以降は、この悩ましさも彼に引き継ごうかと思います。
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)