2025年7月4日金曜日

非鉄製錬学特論

材料工学専攻では、
前期の大学院授業として 「非鉄製錬学特論」を開講しています。
簡単に言うと、色々な金属がどのようにして鉱石から作られているか、
またリサイクルされているか、という授業内容です。
 
全15回は、座学だけでなく、2回は実験実習を行うのが特徴で、
実際に工業的に使われている技術を、
大学院生にも実験してもらって、金属の製造法だけではなく、
持続可能社会へ向けた分野の位置づけなどを 学んでもらっています。
 
座学は複数の講師で分担しており、
私は今年、4回を受け持ってます。
 
その際には、毎回、
金属や鉱石のサンプルを持参して、授業中に回覧しています。 

意外と、元素記号や数式で金属を考えたり、
最近ではコンピューターで金属材料を扱ったりする学生は、
塊状の金属の見たことが無い、という人も多く
ちょっとした興味を引いているようです。
 
今日は特殊金属の回だったので、
チタンとシリコンを持っていきました。

 
 

2025年4月17日木曜日

日本国際賞の授賞式

前回はコロナ禍中のために出席できませんでしたが、
今年は、東京で開催された日本国際賞の授賞式に参加する
ことができました。
 
今年の物質・材料、生産分野の受賞者である
デュプイ博士の専門分野である有機半導体には、
あいにく明るくはないのですが、
こういった場に参加することで身が引き締まるのも
大きなモチベーションになります。
 
日々の研究と教育に、
コツコツと励んでまいりたいと改めて感じております。 

新しい受賞会場となった新国立劇場のオペラハウスも素敵でした


2024年8月19日月曜日

金属材料プロセス討論会の開催

8月1日(木)~2(金)にかけて、
神戸市内で第1回金属材料プロセス討論会を開催しました。
 
かつて東大からの発案で行われ、その後に3大学の非鉄製錬の寄付講座が
連携する形で開催していた製錬関係研究会の意義と形式を参考とし、
この度、中堅~若手の討論会として新たに開催いたしました。
私は、実行委員会の1人かつ第1回の世話人として、
研究者を育て上げる場を提供させていただきました。


循環型社会の実現や
資源ナショナリズムの台頭といった昨今の情勢へ対応するために、
金属製錬やリサイクルに関連する技術や研究の重要性が増しています。
特に、関連分野の人材育成が求められており、
このような研究者同士が切磋琢磨しあえる場が、
業界を育てる力となることと期待されます。

第1回への参加者での集合写真


2023年9月10日日曜日

タングステンのリサイクルに向けた研究

2020年まで在籍していた前研究室での成果である、
超硬工具からのタングステンのリサイクルに関する論文が、
この度、採択されました。
 
'Oxidative Dissolution of Cemented Tungsten Carbides in Molten Sodium Carbonate by Addition of Copper(I) Oxide as Oxidizing Agent',
Kouji Yasuda, Kohei Suzuki, Ryotaro Uehata and Rika Hagiwara:
Journal of Sustainable Metallurgy, vol. 9, no. 3 (2023) pp. 1390-1398.
https://doi.org/10.1007/s40831-023-00737-7

前報では、炭酸溶融塩だけであっても、
チップなどの超硬工具からタングステン成分を溶出できる
という内容でしたが、
本報では、炭酸溶融塩に酸化剤となる金属イオンを
入れておくと、より高速で溶出できるという結果を得ています。

2022年11月29日火曜日

博士卒後の様々な進路に関する講演会

私の所属する講座が主催となって、
博士卒の後、研究者として歩まれた方から、
学部生や大学院生のロールモデルの一つとして、
自分の経験や将来に対する期待を語っていただく会を開催いたしました。

博士課程に進学しない学生にとっても、
研究者たるものがどのような者かという理解してもらうとともに、
自分の将来の参考になる共通点なんかがないか、
役立ててもらおうという会です。
例えるなら、就職サイトの「先輩社員の声」コーナーの、研究者版です。
 
私から、2006年のドイツ留学の経験と、
そこから得た経験や自信について、
多くの写真を交えながら紹介いたしました。
たとえ留学をせずとも、学生たちが新天地に向かう際の心構えとしても
役にたってもらえればと思います。



リチウムイオン電池の安全失活に向けた研究

我々のグループで研究を行っている、
リチウムイオン電池の安全失活に向けた研究の論文が、
この度、採択されました。
 
“Submerged Comminution of Lithium-ion Batteries in Water in Inert Atmosphere for Safe Recycling”
Tetsuya Uda, Akihiro Kishimoto, Kouji Yasuda, and Yu-ki Taninouchi
Energy Advances, 1(11), (2022) 935-940.
https://doi.org/10.1039/D2YA00202G 
 
放電されていない電池が廃棄時に混入していたとしても、
水素爆発や火災を引き起こすことのない手法を
目指した研究内容となっています。

論文としては、テキストだけでなく、
動画をご覧いただくほうが、どのような手法であるか
よくわかるかと思います。
Supplementary files に置いてあります。

2022年9月6日火曜日

電気化学誌の電解特集

電気化学会の会員誌「電気化学」において、
特集「持続的成長社会を支える新たな電解技術」
企画させていただきました。

企画して記事を集める
というのは初めての経験だったのですが、
産業側、大学側と様々なステージの電解技術を
紹介することができた
と思ってます。
ご執筆いただいた先生方には、御礼申し上げたいと思います。

同時に、編集の皆様のお力などについても、
深く勉強することができました。
グラフィカルアブストラクトも、
僕の書いたラフなスケッチから、大変キレイに仕上がっております。
ご興味のある方は、ぜひ各記事をご覧ください。

2022年8月28日日曜日

高校生実験教室を開催しました

私たちの豊かな生活には、銅、鉛、亜鉛、金、銀といった
多種多様な非鉄金属が必要不可欠です。
また、金属は鉱石から製造されるだけでなく、
最近では廃棄物からのリサイクルも活発に行われています。
ただ、なかなか実際に、それらの製造工程を目にする機会は多くありません

そこで、安田の所属する非鉄製錬学講座では、
非鉄金属の製造法やリサイクル法を
高校生の皆さんに知ってもらう場として、
体験型の教室である「高校生実験教室」を開催しています。
同時に、金属の製造やリサイクルが、
社会的にいかに重要な分野であるかを感じてもらうような
教育を提供しています。

今回は、8月9日(火)に、8名の高校生を迎えて実施いたしました。
詳しくは、京都大学工学研究科のホームページ
掲載されましたので、そちらをご覧ください。

2022年6月6日月曜日

シリコン電解の総説論文

金属には色々な製造法があり、
今まで、半金属であるシリコン(ケイ素)の製造法について、
総説記事としてまとめて来ました。


英文総説
1. 'Solar-grade Silicon Production by Metallothermic Reduction'
2. 'Processes for Production of Solar-Grade Silicon Using Hydrogen Reduction and/or Thermal Decomposition'

上記1は金属熱還元法による製造法、
2は水素還元や熱分解を使った製造法に関して
まとめた総説論文です。


今回は、その3として、
電気分解によるシリコンの製造法を、記事としてまとめました。

'Electrochemical Production of Silicon'
Kouji Yasuda and Toshiyuki Nohira:
High Temperature Materials and Processes, vol.41, no.1, (2022) pp. 247-278.
https://doi.org/10.1515/htmp-2022-0033


過去に行われた様々な電解質中でのシリコン電析を網羅し、
各電解質別に分類して、それぞれの特徴を比較してまとめた内容に
なっております。オープンアクセスです。
後世の研究者にも長く利用してもらえる内容と自負しておりますので、
ぜひご利用いただければと思います。


===============================

Up to now,
I have summarized the production methods of silicon as review articles.
The methods of production by metallothermic reduction,
and hydrogen reduction have already been published, respectively.

This time, we have newly published a review article on the production of silicon by electrolysis.

'Electrochemical Production of Silicon
Kouji Yasuda and Toshiyuki Nohira:
High Temperature Materials and Processes, vol. 41, no. 1, (2022) pp. 247-278.
https://doi.org/10.1515/htmp-2022-0033
(Open Access)

The electrodepositions of silicon in various electrolytes are covered
and compare, and the characteristics of each electrolyte were discussed.

We are confident that the contents of this publication can be used
by future generations of researchers for a long time.
We hope you will find it useful.

2022年4月25日月曜日

非鉄製錬学講座の更新

私の所属する「非鉄製錬学講座」は、
2017年4月より、三菱マテリアル株式会社の支援による寄附講座として
設立されております。
この2022年4月以降も、第2期として同講座を更新することについて、
4月15日に京都大学百周年時計台記念館にて、
本更新に伴う記者発表を行いました。

引き続き、非鉄製錬学ならびに
それを用いたリサイクルに寄与できるよう、
尽力してまいりたいと思います。

京都大学ホームページ
 「三菱マテリアル株式会社の支援による寄附講座
  「非鉄製錬学講座」の更新について発表しました」
  https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2022-04-25

2022年3月11日金曜日

オフィス引っ越し

私の所属する、京都大学 大学院工学研究科 材料工学専攻
非鉄製錬学講座のオフィスが、引っ越しました。
 
同じ物理系校舎なのですが、
720号室から523号室への移動になります。
 
地図はこちら

2021年10月7日木曜日

Google Scholar登録

周りから、Google Scholarへの登録を勧められたので、
今回登録してみました。
 
安田幸司の論文業績などを知りたい方はアクセスください。
リンクはこちら

2021年5月16日日曜日

趣味: クイズ大会

最近出版された解説記事の著者紹介欄で
「趣味: バドミントン、クイズ大会」
と書かせていただきました。
たまに聞かれることもありますので、
このブログでも紹介したいと思います。
 
研究室での旅行や忘年会で
皆が楽しめるようにと、PowerPointを使ったり、
私物の早押しボタンを使ったりして、
よく私の方でクイズ大会を開催しています。

また、機会があれば、他研究室との交流の場でも、
癒しの場を作るために、司会をさせてもらっています。
少しでも皆様の楽しい時間の思い出となれば、
とても幸いです。

ご興味ある人は、
学会などでお会いした時に、本話題で会話させていただきたいですね。

 
学会のサマースクール




京都への来訪予定者への案内クイズ


2種類持っています


金属製錬やリサイクル 社会人向けWeb講座

私の所属する京都大学 非鉄製錬学講座では、
主に金属製錬やリサイクルを職務とする社会人へ向けて、
Web講座を配信しています。
ほぼ毎週のレポートに加え、期末試験もあるプログラムとなっています。

7月末が申し込み〆切、10月中旬が開講で、
翌年10月までの1年間の講座となっていますので、
興味ある方は、上記リンクから申し込みください。

2021年2月18日木曜日

廃リチウムイオン電池のリサイクル

所属する講座では、
国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の
研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)

に採択され、昨年12月よりプロジェクトを開始しております。

「資源循環システムの構築へ向けたLIBのオンサイト型安全失活処理 」
京都大学
宇田 哲也 教授
(関連情報: JST A-STEPホームページ) 

エネルギー問題や環境問題の鍵を握る
リチウムイオン二次電池のリサイクルを促進するべく、
研究開発を進めてまいりたいと思います。

2020年11月26日木曜日

討論会や同窓会のオンライン開催

今年は各種イベントのオンライン開催が増え、
私の方でも、それらを運営することが増えてきました。
9月にはWeb討論会、10月にはWeb講座のテスト開講式
先週は出身研究室の同窓会を行いました。
 
それに伴ってノウハウの蓄積も次第に行われ、
会の雰囲気づくり、Zoomのブレイクセッションの使いどころなど、
イベントの質を上げるべく鋭意検討中であります。 

ぜひ、同じような立場の人と、
情報共有を進めていきたいですね。

2020年7月9日木曜日

溶融塩に関するデータベース / Database Literatures for Molten Salts

電気化学会 溶融塩委員会の活動で、
千葉大 大窪先生、東北大 竹田先生、東北大 夏井先生、岩手大 関本先生と
「溶融塩に関するデータベース文献収集」を行い、
文献・書籍リストを一般公開いたしました。

たとえば、
溶融塩の熱物性を調べたいので、
どこかにデータベースが無いかな?
なんて時には、今回のリストを使うととても便利です。


日本語版は溶融塩委員会の委員限定公開ですが、
Electrochemistry誌に掲載された英語版は
J-Stageからダウンロードできますので、
こちらのページからご利用ください。

PDFデータではWebデータベースへのハイパーリンクを貼ってますし、
ページ下部からダウンロードできる電子付録のExcelファイルを使うと、
自分で情報を追加したりすることも可能です。


===============================


As part of the activities of the Molten Salt Committee
of the Electrochemical Society of Japan,
I carried out 
"Information-Gathering of Database Literature on Molten Salts"
with Prof. Takahiro Ohkubo, Prof. Osamu Takeda,
Prof. Shungo Natsui, and Prof. Hidehiro Sekimoto.
The literature lists were recently opened to the public.

The use of these lists is convenient for such case,
"I want to know the density and conductivity of this molten salt,
 and easily get these information."

The Japanese version is open
only to the members of the Molten Salt Committee,
but the English version published in Electrochemistry
can be downloaded from J-Stage.

The PDF file has a hyperlink to the web database.
You can also download the Excel file served as the
supporting information which enables the modification
and addition of the information on the reader’s side.

2020年5月29日金曜日

異動いたしました

2020年4月1日に、
京都大学環境安全保健機構から、
同じ京大内で、工学研究科材料工学専攻の特定准教授として
異動いたしました。

非鉄製錬学講座(寄附講座:三菱マテリアル)では、
非鉄金属の製錬・精製やリサイクルに関する研究、
それらを支える基礎学問の教育、
ならびに社会人や大学生・高校生への教育と啓蒙活動を
展開しております。

今後とも引き続き、活発な研究教育活動を実施してまいりたい
と思います。

 非鉄製錬学講座 Webページ
  https://www.aqua.mtl.kyoto-u.ac.jp/wordpress/NF/index.html

2020年1月12日日曜日

OB会と新年祈願

研究室では毎年、
・年末: OB会
・年始: 吉田神社への安全祈願
を行っております。


OB会では、皆の近況を聞く以外に、
現役学生との交流、
さらにはスタッフや現役学生へのフィードバックを行うために、
「学生の時にやっておけば良かったこと」「社会人の週末はこんな感じ」
などのアンケートなども行います。

世代を超えて人と人をつなぐことは、
大学の大きな役割だという考えのものでのイベントです。

2019年12月末のOB会













一方、新年祈願は、
過去の記事にも書きましたように、
まずはケガと病気の無いようにという活動です。
留学生へ、神社でのお参りマナーを教える文化活動にもなっています。

そして、神社から帰ったら、
皆の正月のお土産を集めての新年会を、
研究室のオフィスで行っています。
学生やスタッフの実家は各地へ散らばっているので、
日本各地(世界のものも)の色々なものを食べられるんです。

新年初日は、挨拶回りと祈願、そして新年会と、
昔ながらの日本式でゆったりと過ごしております。

2020年1月初頭の新年祈願












2019年11月24日日曜日

工業電解奨励賞の受賞

先週開催されました第43回電解技術討論会で、
(公社)電気化学会 電解科学技術委員会から、
「令和元年度 工業電解奨励賞」を受賞させていただきました。


授賞式で委員長の井上先生から授与











喜びの1枚です


















私の専門分野である金属製錬やリサイクル以外にも、
水電解やソーダ電解、トルエン水素化、電解フッ素化、機能水の製造などの
数多くの電解プロセスはエネルギー環境技術として重要であり、
それらへ貢献できるよう、今後とも精進してまいりたいと思います。
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)