2015年4月6日月曜日

Si-Zn合金を使ったシリコン製造法の成果発表

私は、太陽電池用途に用いる高純度シリコンの製造法に関する
研究を行っております。

本助成で行ったテーマは、
SiCl4(四塩化ケイ素)をZn(亜鉛金属)で還元し、
Si-Zn合金(シリコン-亜鉛合金)を中間生成物として
高純度シリコンを製造する手法ですが、
最近、電解法による、Si-Zn合金を中間生成物とした高純度シリコン製造法
に関する論文を発表いたしました。


著者: 安田幸司
題目: 液体亜鉛合金を用いたシリコンの電解製錬法の開発
書誌: 溶融塩および高温化学, 58(1), 20-27 (2015).


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ホール・エルー法の原理図















出典: http://ja.wikipedia.org/wiki/ホール・エルー法




上に示すのは、金属アルミニウムの製造法である、
ホール・エルー法の原理図です。

酸化アルミニウムを、
約1000℃の溶融塩と呼ばれる電解質中で電気分解する
手法により、陰極で金属アルミニウムが作られています。


今回発表した論文では、
過去に我々で開発してきた電解法を、
ホール・エルー法をベースにして連続化や大型化するには、
どのようなプロセス原理が必要かという点について、
合金化金属の種類、電解温度などについて、各種検討を行っております。

各々の実験データについては、
今後、それぞれ論文発表していきたいと思います。

2015年4月2日木曜日

2014年度後半からの近況

ご無沙汰しております。

学会でお会いした人から、
「最近、研究ブログ、更新してないんですね」
と言われました。

国際科学技術財団の知名度とともに、
私のブログのファン(?)らしき方がおられることに
驚いております。


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さて、何故、更新が最近ご無沙汰になっているかと
言いますと、ここ半年ほど私の職務の1つである
核燃料物質の管理に関する業務が増えているからであります。


4年前の3月に東日本大震災が起こり、
3年前の9月に核燃料物質の管理の担当行政が
文部科学省から原子力規制委員会に変わり、
一昨年の11月には、原子力規制委員会から
新規制基準と呼ばれる新しい審査基準ができました。

そのため、原子力発電所だけでなく、
大学の研究施設においても事故時への対策が求められるようになり、
全国の大学でも、審査への対応に追われていると聞いてます。


世の中の情勢に合わせて変化していくのは、
生活や研究のみならず、法律も満たすべき基準が変わっております。

新年度となり、
教育や研究との両立に苦慮しておりますが、
いずれもクリアすべきタスクを達成できるよう、
進めてまいりたいと思います。
亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)