2015年7月3日金曜日

四塩化ケイ素の後処理

反応を起こして実験をするという「表」があれば、
実験後の残留薬品の処理という「裏」もあります。


四塩化ケイ素(SiCl4)の処理というのは、
廃試薬専門業者にとっては容易かもしれませんが、
小規模実験を行う研究室では、ちょっとやっかいです。

というのも、
四塩化ケイ素は空気中に出すと、
水分と反応して塩化水素(HCl)を発生するので、
下手をすると、
 ・ノドと鼻がするどく痛い
 ・周辺の装置がサビる
といった不具合を生じるからです。


このように、塩素成分がHClになるとやっかいなので、
水素(H)よりも強い陽イオンと反応させるのが良いです。
私が知るところでは、
水酸化ナトリウム(NaOH)を入れて水ガラスにしてから、
酸性に戻すと、ケイ酸と塩化ナトリウムになるので、
大学では無機廃液のタンクへ捨てることができます。
(ただし、京大の場合、ケイ素を含む廃液は他とは別容器)


しかし、それよりも簡単な方法があります。

SiCl4は構造的な対称性が高いことからもわかるとおり、
極性のきわめて低い化合物です。
そのため、水には溶けにくいですが、油やアルコールにはよく溶けます。

それにしたがって、
今日、研究室の過去サンプルから出てきたSiCl4を廃棄する作業は、
 「SiCl4の封入されたガラス管を割った後、
  真空ポンプ用オイルにガラス管を浸す」
のみでした。


液体SiCl4をそのままオイルへ











オイルが反応して茶色くなるので、
あとは、廃オイルとして捨てれば終了。

反応が遅くて溶けのこったSiCl4が
ちょっと鼻に刺激臭を与えるので、
保護具着用の上、作業は必ずドラフトの中で行いましょう。

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安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)