2016年7月29日金曜日

電気化学の巨人

今まで4年近く一緒に研究していた
楊 肖 特定助教が、5月いっぱいで退任し、
6月からはアメリカのUniversity of Texas Austinへ異動しました。

彼の新しい勤務先は、
Allen J. Bard教授の研究室です。

電気化学を学ぶ人ならば、
皆が書棚に1冊は持っているであろう。
Electrochemical Methodsを執筆者である先生です。
彼の名を知らない人は、
電気化学の分野での「もぐり」ではないかというくらいの、超有名人です。


安田も1冊持ってます


















この書籍も初版が1980年で、36年も前の本になります。
その当時から、書籍を執筆するなどアクティブだった先生が、
今もなお現役でご活躍とのことに驚きです。
もう80歳を超えておられるのだとか。


そんな折、溶融塩化学講習会(実験講習会)の準備を進め、
過去の溶融塩の書籍やデータベース文献などを
探してリストアップする作業をしていたところ、見つけました。
またもや、Allen J. Bard先生。

Encyclopedia of Electrochemistry of the Elements
こちらの初版は1973年
今から、43年も前のことです。


研究室の書庫には所蔵がありました


















今と違って、 インターネットも無い時代。
文献を集めて、それらの数値をデータベース化するなど、
どんなに大変だったろうと思います。

玉石混交の星の数ほどの論文が出回っている時代ではなかったので、
文献の数も絞られていたとはいえ、
分野の巨人というのは、極めて偉大だと感じました。

2016年7月19日火曜日

チタン円卓会議

先週、北海道で開催された、
5th International Round Table on Titanium Production in Molten Salts (Ti-RT2016)
に出席いたしました。

金属チタンは、高耐腐食性や高比強度などを有する金属で、
航空機材料や化学プラントなどに利用されています。

近年、現在の量産製造法であるクロール法に替わる、
新しい製錬法や製造法に関する研究開発が活発で、
その研究者を集めた会議が、今回のシンポジウムとなります。


私も今回は、国際学会で初の国内実行委員として、
名を連ねさせていただきました。

北海道大学の夏井先生を初めとする事務局の適格な働きぶりもあって、
多くの参加者が、学会に満足されて帰られていたのが印象的でした。

次回は2年後の開催ということですが、
また皆様にお会いできることを楽しみにしております。


北海道大学から洞爺湖へ移動しながらの学会でした

亜鉛還元による太陽電池級シリコンの高速連続製造法に関する研究

安田 幸司
(京都大学 環境安全保健機構 助教)